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2016年6月29日 (水)

絶対手術をしないという選択;膝版

 最近、絶対に受けてはいけない手術などといった見出しが載っている雑誌がよく目につきますね。その単純すぎる能天気な考え方にため息しか出ませんが、ある意味警鐘を鳴らすという面では全くの害悪ではないのかもしれません。
 手術をするかどうかは、重症度のみではなくその人の人生観や金銭面、制度的な問題など様々な要素をよく考えて個々人に合った方針を決めていく必要があり大変難しい問題です。それを一言で全員に絶対手術をすべきでないとか言える思慮の浅さには驚きです。
 医学的には非常に重症の変形性膝関節症でも、絶対に手術を受けたくないという方はたくさんいます。それはその方の人生観として尊重すべき考えだと思います。膝の場合手術を避けるという方法も意外とアリだと思いますが、それが可能かどうかはレントゲンを行った時に下腿側の骨(脛骨と言います)の関節面が崩落していないかどうかが最も重要である印象があります。手術を嫌がっている方でも、脛骨の関節面が崩落するように破壊されていくと膝関節が支持性を失い歩行が非常に困難になり痛みも取れにくいです。なので最終的に手術を選択する方が少なくありません。それでも歩くことを諦めて車椅子にするか自宅内ではいざって移動するようにしている方もいますが。
 脛骨の関節面が崩落せずにしっかりとしていれば、関節軟骨が全くなくても歩いて人生を終わる方も少なくありません。印象としては膝が非常に痛いのは軟骨や半月板といった関節の間にある組織が損傷していく過程で、それらが完全になくなって骨と骨がうまく噛み合ってしまうとそれほど痛くないようです。そこまで頑張れれば手術をしなくても何とかなるようです。
 どうしたらそのような状態に持っていけるのか。私は農家の方に一つのヒントがあるような気がします。農家の方は一般の方に比べると明らかに疼痛の閾値が高いと思います。また、痛みがあっても作業を休まず(休めず)黙々と働かれます。山村や農村などの番組などを見ると腰が90度に曲がってかなりなO脚になったような方でも畑や山で働いている様子が映し出されているのには感服します。この近隣の農家の方も、腰も膝も肩も磨り減ってしまっていても一般の方より明らかに鎮痛剤等に頼らず働かれていることが多いです。
 つまり擦切れきるまで頑張ることができるかどうか。適宜鎮痛剤やヒアルロン酸注射を行うことは有効ですが、ずっと薬に頼るのも体によくはないように思います。痛いからといって安静にしても体力や筋力が落ちていくだけです。面が合っていない二つの石をずっと擦り合わせていくといつか面の凹凸が合って綺麗に噛み合うというイメージでしょうか。そこまで頑張らなくても人工関節したらほとんどの方はスムーズに歩けるのに…。と思うこともあり、一応そういう情報もお伝えするようにしていますが。
 70歳代の方で、人工関節にすれば自立した生活を送れる可能性が非常に高いのに嫌だからということで家事を介護保険で行ってもらう方が増えていったら社会保障制度がますます破綻に近づくとも思いますが、その辺の個人と社会の関係性も考慮しないといけないのかもしれません。
 手術をするかしないか。ほんとうに個々人の事情や考えで様々な答えがあるものです。

2016年6月27日 (月)

イギリスの離脱と日本

 イギリスがEUを離脱しましたね。未来から見てどういう評価を受けるのか。現時点では誰にもわからないことでしょう。これからどうなっていくのか。専門ではないので全くわかりません。しかし、ある意味イギリスがうらやましく思う面があります。
 このままのやり方では近い将来世界はあらゆる面で立ち行かなくなることは明らかです。イギリスはある意味現状維持にノーを突きつけたのだと思います。事なかれ主義とお上への依存の極まった現在の日本では、きっと現状維持を選ぶ人が大多数でしょう。
 世界は変革期に来ているのに日本は今のままでよいのか。何かいろいろ破壊したい衝動に駆られます。

2016年6月23日 (木)

あせもの季節

梅雨の時期になりました。
蒸し暑くて寝苦しい夜もたまにあります。
皮膚に乾燥肌があり、バリア機能が弱い赤ちゃんやお子さん(大人も)は、このような時あせもができやすくなります。
もともと乾燥肌がある方は保湿ローションで防ぐことができます。
こまめに汗をふき、シャワーを浴び、その後は保湿するといいでしょう。
乾燥肌の方のあせもの場合はバリア機能の弱さからくるので、やはり石鹸、ボディーソープは使わない方がよいでしょう。ただ、お湯のみで汗などの汚れを落としましょう。
大人の方は首によくあせもができますが、おそらく、シャンプーによる首のバリア機能の悪化からくるのではないかと思います。シャンプーをしないか、それが無理ならシャンプーを低刺激のものにせめて変えるべきでしょう。
炎症が起きてしまったら、亜鉛の入ったカラミンローションや亜鉛華単軟膏などで炎症をおさえたり、ひどい場合はステロイド外用剤で炎症をおさめる必要があります。
スキンケアで治らない場合は受診してください。

2016年6月19日 (日)

医療介護交流会

 この週末に医療介護交流会に参加してきました。総勢400人以上が参加する大きな立食パーティーで、市議会議員から国会議員までが参加してとても盛況な会でした。それにしてももうそろそろ医師を来賓扱いするのはどうかと思います。医療と介護の連携においては、もうそれぞれの専門職が対等な立場で力を合わせていく時代になっていると思うのですが、来賓扱いをされてしまうとまだまだ打ち解けてもらえていないんだなという感覚になってしまいます。
 今回もたくさん名刺を持って行ったのですがあっという間になくなってしまいました。毎年知り合いが増え、顔を合わせて情報交換をする会は楽しくもあり非常に有効な会だなと思います。ただ、病的に人前恐怖症なので舞台に上げるのは勘弁していただきたいものです。

2016年6月18日 (土)

膝関節内側の痛みで

 中高年の方の膝関節の内側の痛みとしては変形性膝関節症が圧倒的に多いのですが、たまに膝関節内側のやや後方が痛いという方がいます。この場合、膝を屈曲させる半腱様筋と半膜様筋という2つの筋肉が腱となって膝内側後方を通り鵞足に付くのですが、この腱の損傷や炎症が原因になっていることがあります。診察上、圧痛点をよく確認すると関節面でも関節裂隙でもなく、内側のやや後方に最も押して痛い部位があります。膝関節のやや下にある鵞足と言われる部位にもやや痛みがある場合もあります。腫れていることもありますが、ほとんど腫れていないことの方が多く、しっかり圧痛点を確認しないと普通の変形性膝関節症と診断してしまう可能性が高いです。
 腱とその周囲の問題なのでレントゲンでは明らかな異常はありません。ただ、石灰沈着性の炎症の場合は白い塊が見えることがあります。超音波検査で腱の不整や周囲の炎症所見が見られます。石灰とは別の結晶様のものが存在することもあり尿酸を含めて何らかの結晶性疾患の場合もあります(通常穿刺吸引や切除は行わないため確定診断は困難ですが)。
 腱の損傷であれば固定や安静を指示しますが、炎症性疾患のことが多く、腱周囲にステロイドの注射をするとよく効きます。注射するほどでもない軽症の場合は内服や湿布で炎症を抑えて経過観察します。
 頻度としては少ないですが、膝の内側が痛いイコール変形性膝関節症ではないということは覚えておくとよいかもしれません。

2016年6月15日 (水)

けむし皮膚炎

最近、増えてきました。

突然腕、首、足、からだ粟粒大から小豆大までの赤いぽつぽつがでて、非常にかゆいという症状の方々です。

たいていの場合は庭仕事をした後だったり、公園の植込みに分け入ったりしたとおっしゃいます。

チャドクガによる毛虫皮膚炎です。毎日2,3日いらっしゃいます。

サザンカ、椿などの葉の裏に集まっているチャドクガの毛虫。風が吹くだけでも毛がとび、ソバを通るだけでもやられてしまいます。その場合は覚えがないことも・・

しかもたいていの洋服は通してしまい、ズボンのパンツの部分のみ2重なのでやられません。しかし、大腿などは数カ所刺されてしまいます。

洗濯物のシーツ、洋服などがツバキやサザンカの木の近くに干してあると毛がついて寝たとたんにかゆくなるということもあります。

毛虫のついた木を剪定する場合には雨具など、ビニール状の絶対毛を通さないものを来て、ゴム手袋でやらないと毛虫皮膚炎を発症します。

もしなってしまったら、一番強いステロイドを1週間ほどつければおさまります。

皆さん気をつけてください。

2016年6月10日 (金)

小児上腕骨外上顆骨折

 子供の肘の怪我は特に注意を払って対応することが必要です。骨折の重症度や固定方法によっては変形が残ってしまうことも少なくありません。顆上骨折などで完全に骨折し肘が変形していると誰が見ても重症で手術も含めた対応が必要なのはよくわかりますが、大きな怪我と認識されにくい骨折もあります。
 肘の外側で上腕側の骨折に外上顆骨折(外顆骨折、外側顆骨折とも言います)があります。これも骨折が激しく転位していると一目で重症と分かりますが、少し腫れている程度ですと怪我をした翌日や数日後に受診されることも少なくありません。
 この部分の骨折はズレがわずかであればギプスや副木固定で治療可能ですが、後からずれてくることもあります。ずれてくる場合は手術用の針金を刺入して固定する必要があります。そのズレの許容範囲が非常に狭く、2mmもずれたら手術適応とされています。
 肘の外側の腫れは、ご両親にはわからないくらいのこともあります。肘の怪我の場合、自力で十分な可動域で動かせるかどうかが判断材料としては重要かと思います。痛くて十分動かせない場合は、なるべく早めに整形外科を受診した方が安全です。

2016年6月 6日 (月)

筋膜リリースの講演会に絶望

 最初に話しておくと、今のところ筋膜リリース自体に絶望した訳ではなく週末に行った筋膜リリースの講演会自体に絶望した訳です。
 最近運動器の世界では筋膜リリースという言葉が流行っています。肩こりや五十肩、腰痛の原因は骨や関節などではなく筋膜間の癒着が主因でここをほぐすことで改善するという考え方です。発想として悪くないかもしれないと思い注目はしています。そこで週末ひとつ講演会に行ってきました。
 医師は、研修医時代はガムシャラに働いて勉強し技術や知識を身につけるのですが、5年〜10年経験を積むと一時期自分がかなりできる医師になったと勘違いする時期があります。万能感というか専門医としてすごいのではないかと思ってしまう時期です。それを乗り越えると自省の念も入り冷静に全体を見渡せるようになってきます。今回の講演会は、そんな万能感に浸って抜け出せなくなってしまった医師の末路を見たような気がします。
 注射というのは非常にプラセボ効果の高い治療です。昔、スポーツ選手にニンニク注射というのが流行ったことがありました。ニンニク注射を行う医師は患者さんに慕われる、スポーツ選手はそこで一種の安心感を得られるというwinwinの関係を構築する訳ですが、本当はあまり意味のない治療だった訳です。腰痛に注射をすると、多くの方がよくなったと言います。それはしっかりしたブロックでなくてもです。なので注射を用いる治療方法というのは、患者さんがよくなったということだけで効果があると判断することはできません。腰痛で診察室に入ってきて、いろいろ体を動かして診察しているうちに「腰痛がよくなったよ先生、先生に体を動かしてもらったから動くようになった。」とおっしゃる方もいます。そんな時にもいやいやそれは体を動かした訳ではなく所見を取っていたのです…とは言いませんが。
 今回の講演会を冷静に聞くと、診断ができていない、注射する部位が一定してない、挙句の果てにめまいにも手根管症候群にも帯状疱疹後の疼痛にもその他内科的疾患にも筋膜リリースが効くと言いだしてまるで医学的ではありませんでした。
 一度冷静に、どんな診断の時に何処に注射をしたら対照群と比較してどのくらい効いたのかを報告していただきたいと思いました。

2016年6月 3日 (金)

プリンスまでもが

 プリンスの死因がフェンタニルの過剰摂取であると報道されました。フェンタニルというのは麻薬系の鎮痛剤の一種で、日本では以前は手術時や癌による疼痛に対してしか使えなかったのですが近年難治性の腰痛などにも使えるようになりました。
 マイケル・ジャクソンもプリンスも薬の副作用で亡くなってしまいました。常日頃から薬を処方する身としては本当にいろいろ考えさせられます。幸い日本では鎮痛剤は体によくないという意識が強く鎮痛剤を積極的に使いたいという方は現在はそれほど多くないものと思いますが、これから麻薬系鎮痛剤の使用がさらに普及していったとしたら同じようなことが日本でも稀ではなくなっていってしまうかもしれません。
 やはり腰痛の治療としてはなるべく運動療法や生活習慣の改善、時にはストレスの軽減などを中心に考え、投薬は必要な時に最小限短期間使用するようにした方がよいと思います。それにはまず最初にしっかり鑑別診断をしていく必要があります。薬を使わないと経過がよくない場合も必ずあります。炎症性疾患には炎症を抑える治療が必要です。神経障害があればブロック注射や手術なども検討が必要です。
 薬は絶対ダメだという極論は実際の現場では通用しません。ただ薬が最善だということもありません。医療の世界をリードする国で実際に何が起こっているのか。注視していかないといけませんね。

小っさい

 世界ではパナマ文書というものが大きな問題になっています。日本の大企業も名を連ねているようですが、利益を得ていないから問題ないとのことで軽く流されたようです。タックスヘイブンの問題は国家のあり方に関わる非常に大きな問題だと思います。国を本当に愛しているなら祖国になるべく税を納めるという気持ちになるものだと思いますが、これだけボーダーレスになってくるとそういう感覚もなくなるのでしょうか。タックスヘイブンへは世界で一千兆円以上のお金が流れているという情報もあります。日本からも数十兆も流れているのではないかというネットもあります。ここから消費税分の税収など捻出可能なのかもしれません。そもそも大企業は法人税すらまともに払っていないようですが。
 そんな世界とは違って、日本では一知事が自分の家族と食事をしたお金を経費で落としたかどうかなどの話題で持ちきりです。小っさいな〜。タックスヘイブンの兆単位の話題はさらっと流して万単位の話題を必死に流し続けるメディアを見ていると悲しくなってきます。石原さんの時のクルーザー出張は何だったんでしょうね。
 こんな素人の猫騙しに踊らされる日本人っていったいどうなってしまったのでしょうか。メディアが流す情報の優先順位が明らかにおかしくなっているように思います。ここまでくるとメディアというもの自体が昭和の遺物でその役割を終えたのかもしれません。重要な情報は自分で探すという時代なのでしょうね。もちろんネットで探すのもよく考えないとダメなことはみなさんご存知とは思いますが。

2016年6月 1日 (水)

小学生の圧迫骨折

 圧迫骨折というと高齢者というイメージですが、小学生くらいの子供に生じることも時々あります。ブランコやウンテイをしていて高い部位から落ちて背中をぶつけた場合に胸椎の前方がつぶれるようになります。背中の痛みの場合は分かりやすいのですが、胸や肋骨付近が痛いということもあり見逃されることもあります。
 レントゲンでやや胸椎の高さが減少していれば診断できますが、微妙な時にはMRI検査を行うと確定診断可能です。ただ胸椎の変形が軽度で神経障害などもなければ骨折部が固まって安定するのを待つだけなのでそこまで精査するかどうかも相談が必要です。軽傷の場合は数週以内に症状はとれますが、しばらく脊椎に過度な負担を避けていただいた方が安全です。
 体幹部や下肢にしびれを生じていたり痛みが激しい場合は脊椎の背中側を通っている脊髄という神経を障害している可能性などもあり、緊急に病院への紹介や入院等の検討も必要です。
 子供でも背中から落ちた場合、圧迫骨折する場合があるということは少し気に止めておいていただけるとよいかもしれません。

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