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2016年6月 6日 (月)

筋膜リリースの講演会に絶望

 最初に話しておくと、今のところ筋膜リリース自体に絶望した訳ではなく週末に行った筋膜リリースの講演会自体に絶望した訳です。
 最近運動器の世界では筋膜リリースという言葉が流行っています。肩こりや五十肩、腰痛の原因は骨や関節などではなく筋膜間の癒着が主因でここをほぐすことで改善するという考え方です。発想として悪くないかもしれないと思い注目はしています。そこで週末ひとつ講演会に行ってきました。
 医師は、研修医時代はガムシャラに働いて勉強し技術や知識を身につけるのですが、5年〜10年経験を積むと一時期自分がかなりできる医師になったと勘違いする時期があります。万能感というか専門医としてすごいのではないかと思ってしまう時期です。それを乗り越えると自省の念も入り冷静に全体を見渡せるようになってきます。今回の講演会は、そんな万能感に浸って抜け出せなくなってしまった医師の末路を見たような気がします。
 注射というのは非常にプラセボ効果の高い治療です。昔、スポーツ選手にニンニク注射というのが流行ったことがありました。ニンニク注射を行う医師は患者さんに慕われる、スポーツ選手はそこで一種の安心感を得られるというwinwinの関係を構築する訳ですが、本当はあまり意味のない治療だった訳です。腰痛に注射をすると、多くの方がよくなったと言います。それはしっかりしたブロックでなくてもです。なので注射を用いる治療方法というのは、患者さんがよくなったということだけで効果があると判断することはできません。腰痛で診察室に入ってきて、いろいろ体を動かして診察しているうちに「腰痛がよくなったよ先生、先生に体を動かしてもらったから動くようになった。」とおっしゃる方もいます。そんな時にもいやいやそれは体を動かした訳ではなく所見を取っていたのです…とは言いませんが。
 今回の講演会を冷静に聞くと、診断ができていない、注射する部位が一定してない、挙句の果てにめまいにも手根管症候群にも帯状疱疹後の疼痛にもその他内科的疾患にも筋膜リリースが効くと言いだしてまるで医学的ではありませんでした。
 一度冷静に、どんな診断の時に何処に注射をしたら対照群と比較してどのくらい効いたのかを報告していただきたいと思いました。

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