プリンスまでもが
プリンスの死因がフェンタニルの過剰摂取であると報道されました。フェンタニルというのは麻薬系の鎮痛剤の一種で、日本では以前は手術時や癌による疼痛に対してしか使えなかったのですが近年難治性の腰痛などにも使えるようになりました。
マイケル・ジャクソンもプリンスも薬の副作用で亡くなってしまいました。常日頃から薬を処方する身としては本当にいろいろ考えさせられます。幸い日本では鎮痛剤は体によくないという意識が強く鎮痛剤を積極的に使いたいという方は現在はそれほど多くないものと思いますが、これから麻薬系鎮痛剤の使用がさらに普及していったとしたら同じようなことが日本でも稀ではなくなっていってしまうかもしれません。
やはり腰痛の治療としてはなるべく運動療法や生活習慣の改善、時にはストレスの軽減などを中心に考え、投薬は必要な時に最小限短期間使用するようにした方がよいと思います。それにはまず最初にしっかり鑑別診断をしていく必要があります。薬を使わないと経過がよくない場合も必ずあります。炎症性疾患には炎症を抑える治療が必要です。神経障害があればブロック注射や手術なども検討が必要です。
薬は絶対ダメだという極論は実際の現場では通用しません。ただ薬が最善だということもありません。医療の世界をリードする国で実際に何が起こっているのか。注視していかないといけませんね。
« 小っさい | トップページ | 筋膜リリースの講演会に絶望 »
コメント