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2016年8月11日 (木)

win winの関係には陥らないよう

 win winの関係というと、よく企業買収などの報道で良い意味で使用されています。売り手と買い手が共に利益を受けることで、商売の場ではとてもよいことなのは間違いありません。

 医療や介護の世界では、とても気を引き締めて注意していないとwin winの関係に陥ってしまうことが少なくありません。以前問題になった事例では、関西の方で生活保護ビジネスというものがありました。ホームレスの方を病院に一定期間入院させて、他の病院に転院させ、それを繰り返すというビジネスです。ホームレスの方にとっては3食付きで快適なベッドで眠れるという利益があり、病院にとっては生活保護の方は自己負担0割ですからベッド利用率を上げて全ての診療報酬を得られるという利益があります。病院と患者さんにとってwin winの関係な訳ですが、倫理的にも財政的にも許されることではありません。
 これは極端な例ですが、もっと身近なところでも注意が必要です。例えばメタボリックシンドロームの治療についてはどうでしょうか。生活習慣病な訳ですから、本来は生活習慣を改めるのが先決な訳です。まず節制して運動等も試みて、それでも改善しない場合に治療を行うというのが原則です。現状、患者さんは節制する努力をしないで済むという利益があり、医療機関としてもずっと診療投薬して報酬を得られるという利益があるという、言ってみれば両者とも苦しい努力をせずにwin winの関係を築いていることになっていないでしょうか。
 整形外科的にはやはり青壮年層の腰痛や膝痛についても、本来は運動療法や減量など生活習慣を改善することが先決です。それでも治らない場合に鎮痛剤の使用やリハビリ、ブロック、最終的に手術の適否の検討などが必要になってきます。
 介護保険制度が始まった時には、腰痛や膝痛の訴えがあるだけで家の掃除などのサービスが導入できたものです。利用者さんが希望するだけのサービスを最大限導入すれば利用者さんは楽で、介護事業者には利益がある訳ですが、これも必要最小限に留める努力が必要です。
 先日、忙しい親が子供の風邪に対して夜に往診を呼ぶという医療について放送されていました。解説者もキャスターももっと普及していけばよいという結論になっていましたが、忙しいという理由で医師を夜間に自宅に呼ぶというシステムが全国に普及したら医療財政はどうなってしまうのでしょうか。ビザを宅配で食べるのとファミレスで食べるのとどのくらいかかるコストが異なるのか、テレビに出るくらいの方々になるとわからなくなるのでしょうか。
 一般の商売の世界と医療介護の世界では、純粋な利潤の追求と公的費用の中での活動という面で意識をきちんと分けなければいけません。なるべく利潤を追求しない団体の方が有利になるシステムというのはできないものなのでしょうか。

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