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2016年10月25日 (火)

痛風は痛い。

 典型的な痛風発作というのはやはりかなり痛そうです。自分でなったことはないので体験談としては語れませんが、様々なタイプの痛い人を診てきた経験から推察するに、痛風はやはり痛い病気だと思います。
 典型的な痛風は、夜激痛で眠れず、朝に足を引きずるように来院されます。院内でも松葉杖を使ったり車椅子に乗って移動したりします。石灰沈着症や偽痛風などでも痛みがひどい方は夜眠れなかったりしますので鑑別は必要になりますが、入室してきた時点でほとんど診断がつくことも少なくありません。
 痛風になった方は、再発することも少なくありません。痛風の既往のある方や高尿酸血症を指摘されている方は、消炎鎮痛剤を常備薬として持っていてはどうかなと思います。薬の副作用の既往がなければ、関節が外傷なく痛くなってきたら早めに炎症止めを内服すれば激痛へ進展することはかなりの確率で防げると思います。尿酸値をコントロールすることが基本ですが、きちんとコントロールできている方でも発作を起こすことはありますので注意が必要です。

2016年10月21日 (金)

肺炎のガイドライン

 「肺炎は死因の第3位です。」というコマーシャルが盛んに流れていますが、医師としてかなり違和感があります。肺炎をひとつにして死因の順位で語ることにどんな意味があるのか。肺炎で亡くなることに対してそれほど不安を煽ってよいのかどうか。
 今回、呼吸器学会が肺炎に対して積極的な治療をしないで緩和ケアのみで経過を見ることも選択肢の一つとするガイドラインを公表しました。人間、老衰でも各種疾患で体力が落ちても、最終的に肺炎が引き金になって亡くなることは少なくありません。それはむしろ自然な経過であるようにも思います。
 先日、90歳を遥かに過ぎて介護施設に入所している方が肺炎になり入院した後に亡くなりました。食事量も減り体力も落ちて診るからに老衰という状態でしたので、病院に移さず介護施設でそのまま過ごしても良かったのではないかと心に引っかかっています。この例では、介護施設の看護師さんが強く入院を勧めたために結局入院することになりました。御家族ではなかなかそのまま自然経過をみるという判断はしにくいと思いますので医療職がどういう方向性で話をするかに大きく影響されることと思います。ケアマネージャーや看護師さんとの意思確認をしっかりして御家族の意向もよく確認しておかないといけないなと思いました。
 私自身は平均寿命まで生きたら、老衰などで体力が落ちてきてから肺炎になったとしたら、呼吸苦などに対処してもらうだけで入院は避けたいと思います。自宅に居られたらそのまま自分の布団で、介護施設に居たとしたらそのままその施設で看取って欲しいと思います。
 若い人の肺炎と、終末期の肺炎とはきちんと分けて考えていく必要があります。人はみんないつか亡くなります。長寿だけが幸せな訳ではありません。今回の呼吸器学会のガイドラインは日本の1分1秒でも長生きをという強迫観念からの転換という意味で一歩前進したのではないかと思います。

2016年10月20日 (木)

梅毒について

今年になり、例年になく梅毒がひろがりをみせているようです。
円安になり外国人観光客が増大しているのとも関係しているようですが・・・
以前はほとんど見られませんでしたので、私も見る機会はなかったのですが、昨日医師会で講演会があり勉強してきました。
感染後1週間から3週間でみられる初期硬結(陰茎、陰唇、子宮頚部、口腔内、口唇にできる赤いできもので全く痛みがない)は梅毒の病原菌が大量にいるため、非常に感染性が高いようです。
驚くべきはオーラルセックスで口腔内に初期硬結ができている場合、キスでも皮膚に小さな傷があると他人の皮膚にうつることがあるようです。
皮疹ができた場合、感染機会があることを必ず知らせていただいた方が診断が早くつき、治療に結びつけられます。
それでも痛みがないため、放っておくと、次に3ヶ月程度をへて、全身に発疹が出ます。手にも皮疹が出ます。ウィルス性の中毒疹などと見分けがつきにくく、診断を見落とすことがあります。感染機会の有無を必ず医師に伝えるべきです。
それでも放っておくと数年後神経梅毒や動脈瘤などをおこし死に至ることがあります。
簡単な血液検査でわかりますし、治療をすれば完治する病気ですので、自分のためにもセックスパートナーの為にもおかしいと思ったら病院へかかってください。
梅毒が陽性な場合はHIVも注意が必要なので一緒に調べます。
やはり基本はコンドームの使用です。性教育が非常に大事だと思います。

2016年10月14日 (金)

健康フェアでの骨密度測定

 先日新聞の投書欄に、老人ホームの健康フェアで骨密度測定をしたところ低値を指摘され、医療機関で精密検査をしたところ全く問題がなかったということで憤っている方の投書がありました。
 これと同じようなことは日常茶飯事に起きています。骨粗鬆症の診断には、現状大きな問題があります。それは、骨密度の測定器具が様々あって、その結果がまったくバラバラに判定されてしまうということです。
 町の健康フェアでは当然放射線は使えないため、通常超音波式の骨強度測定を踵で行います。この結果と、医療機関で行う骨密度検査の結果はまったく異なることが少なくありません。なので、健康フェアでは低いと言われても病院では大丈夫と言われたり、逆に健康フェアでは大丈夫と言われても病院では骨粗鬆症と言われたりすることが少なくありません。
 さらに、医療機関でも骨密度が正常範囲でも脊椎に明らかな外傷によるものではない圧迫骨折等があると骨粗鬆症と診断されます。なので、骨密度検査正常の骨粗鬆症の方もいらしゃるのです。最終的には骨密度の他にレントゲン所見や既往歴、血液検査等も含めて骨折のリスクを評価していくしかないのが現状です。
 健康フェアでの骨強度測定のみで、一喜一憂しない方がよさそうです。
 骨折は高齢者のQOLを著しく低下させます。高齢になってからは、生活習慣病より骨粗鬆症の方が疾患として重要なのではないかなと思うのは整形外科医の偏見なのかもしれませんが、少なくとも一度は骨折リスクの評価をきちんと医療機関で受けた方がよいと思います。骨粗鬆症の罹患率は生活習慣病に比べても決して低くはありませんが、生活習慣病に対する検診が毎年あるのに対して骨粗鬆症に対する検診は町田市にはありません。その辺は正しいかどうかより政治力なんだろうなというあきらめが最近ありますが、一般市民の方は自衛していくしかないのが現状です。
 本当は最初の脊椎骨折を防ぐ努力をするのが高齢になっても元気に動けるようにするために最も大切なのではないかなと思います。そのためには中年の世代から骨粗鬆症を意識する必要があります。

2016年10月 3日 (月)

町田市内の病診連携

 今日は病診連携の会に参加してきました。近隣の病院の院長先生や地域連携室の方が多数参加しており、これまでにない会でした。国の方針として病床を規制して在宅へ戻すという大きな方向性もあり、病院と診療所が密に連携して対応していくことはこれから非常に重要になってきます。
 各病院も、在宅部門には積極的になっており入院した患者さんの退院後などは病院から在宅医が訪問することが増えていきそうです。診療所では若い時から通院している方が通えなくなった場合に往診することが増えています。それぞれ入口が少し異なりますが、これからの高齢化を支える上で、両者がしっかり連携していくことは大変重要になってきます。
 町田は比較的連携への機運としては先進的としてされていますが、もっと進んでいるところではカルテもIT上で統合されていたりしています。
 様々な問題がありますが、2025年問題までほとんど時間がありません。これから大切なのはいかにスピード感をもって物事を変えていけるかどうかだと思います。これからも各種連携の取り組みには積極的に関与していきたいと思います。

FDAが抗菌石けんの販売を禁止!!

米国食品医薬品局(FDA)は、現在米国で市販されている抗菌石けん・ボディソープの大部分について販売を禁止することを発表しました。対象となるのはトリクロサン、トリクロカルバンのほか、17種類の抗菌成分含有のもの。ほとんどの製品は従来の石けんと効果に差がなく、健康リスクをもたらす可能性もあるとのこと。FDAは、抗菌石けんが細菌の耐性獲得に寄与するのではないかという懸念からとのことです。
近年の研究では、抗菌成分の長期的な使用によって哺乳類の甲状腺、エストロゲン、テストステロンなどのホルモン系に影響が及ぶ可能性も示唆されているとのこと。
一方でメーカー側は、自社の抗菌製品が細菌の拡散防止において普通の石けんよりも優れることを示すことができなかったそうです。
日本にもトリクロサン含有のものが普通に薬用ハンドソープとして売られています。
塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロキシレノールの3成分のものは1年の禁止措置を1年延期するようですが・・。
今日本中で学校、保育園、幼稚園に薬用ハンドソープが使われ、子どもたちの手が荒れています。
私は前から手の荒れている子どもを大勢みてきました。
そのたびに薬用ハンドソープを使わないよう、幼稚園、学校、保育園の先生にも私が禁止しているからと指導してきました。
全国一斉に公共施設、保育園、幼稚園、学校では禁止すべきではと思います。
石けんも手があれます。それでもどうしてもおきたいのなら純石けんのソープにすべきです。
流水(ぬるま湯だとなお落ちます)のみで手を洗うべきです。

ちなみに手が荒れると、皮膚からアレルゲンが入りやすくなります。将来花粉症その他のアレルギーを獲得しやすくなるのではと考えます。
ネコやイヌを触った後によく過剰に手を薬用ハンドソープであらう方がいますが、ネコ、イヌアレルギーになりやすくなるのではないかと懸念しています。

2016年10月 1日 (土)

中学スポーツ選手の腰椎MRI

 先日文献を読んでいて、クラブチームでサッカーをしている子供の中学校入部時に腰椎MRIを行ったところ、70%で高輝度変化が見られたという報告がありました。腰椎MRIでの高輝度変化というのは、早期の腰椎分離症を表すことが多く、これはかなり高い頻度かと思います。症例数もそれほど多くなく、偽陽性例なども含まれるかもしれませんので一概にそのまま信じることはできませんが、やはり中学生の腰痛には注意が必要だと思いました。
 子供のスポーツの指導者も親も、子供の腰痛に対しての注意意識が低すぎるのは信じられないくらいです。この時期の腰痛は腰椎分離症の可能性もあり、早期に対応しないと分離すべり症へと発展して大人になった時に腰痛や神経障害に悩まされるリスクが決して低くないことは何度も確認しておく必要があると思います。
 逆に早期に発見して休養を取れば非常に順調に治ることが多いです。しばらく運動制限が必要で精神的にストレスになるとは思いますが、後遺障害の可能性を考えるとそれほど長い制限期間ではないはずです。子供の腰痛で長期間マッサージに通っている方もいますがそれは全く適切とは言えません。行うのであれば障害を予防するためのきちんとした機能訓練や運動指導だと思います。
 スポーツをしている子供の腰痛には積極的にMRIをお勧めしています。その前に少し休養や調整メニューで経過を見たいという希望はよくわかります。その辺りは試合のスケジュールなども含めて相談をしたいと思います。

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