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2016年10月21日 (金)

肺炎のガイドライン

 「肺炎は死因の第3位です。」というコマーシャルが盛んに流れていますが、医師としてかなり違和感があります。肺炎をひとつにして死因の順位で語ることにどんな意味があるのか。肺炎で亡くなることに対してそれほど不安を煽ってよいのかどうか。
 今回、呼吸器学会が肺炎に対して積極的な治療をしないで緩和ケアのみで経過を見ることも選択肢の一つとするガイドラインを公表しました。人間、老衰でも各種疾患で体力が落ちても、最終的に肺炎が引き金になって亡くなることは少なくありません。それはむしろ自然な経過であるようにも思います。
 先日、90歳を遥かに過ぎて介護施設に入所している方が肺炎になり入院した後に亡くなりました。食事量も減り体力も落ちて診るからに老衰という状態でしたので、病院に移さず介護施設でそのまま過ごしても良かったのではないかと心に引っかかっています。この例では、介護施設の看護師さんが強く入院を勧めたために結局入院することになりました。御家族ではなかなかそのまま自然経過をみるという判断はしにくいと思いますので医療職がどういう方向性で話をするかに大きく影響されることと思います。ケアマネージャーや看護師さんとの意思確認をしっかりして御家族の意向もよく確認しておかないといけないなと思いました。
 私自身は平均寿命まで生きたら、老衰などで体力が落ちてきてから肺炎になったとしたら、呼吸苦などに対処してもらうだけで入院は避けたいと思います。自宅に居られたらそのまま自分の布団で、介護施設に居たとしたらそのままその施設で看取って欲しいと思います。
 若い人の肺炎と、終末期の肺炎とはきちんと分けて考えていく必要があります。人はみんないつか亡くなります。長寿だけが幸せな訳ではありません。今回の呼吸器学会のガイドラインは日本の1分1秒でも長生きをという強迫観念からの転換という意味で一歩前進したのではないかと思います。

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