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2016年10月14日 (金)

健康フェアでの骨密度測定

 先日新聞の投書欄に、老人ホームの健康フェアで骨密度測定をしたところ低値を指摘され、医療機関で精密検査をしたところ全く問題がなかったということで憤っている方の投書がありました。
 これと同じようなことは日常茶飯事に起きています。骨粗鬆症の診断には、現状大きな問題があります。それは、骨密度の測定器具が様々あって、その結果がまったくバラバラに判定されてしまうということです。
 町の健康フェアでは当然放射線は使えないため、通常超音波式の骨強度測定を踵で行います。この結果と、医療機関で行う骨密度検査の結果はまったく異なることが少なくありません。なので、健康フェアでは低いと言われても病院では大丈夫と言われたり、逆に健康フェアでは大丈夫と言われても病院では骨粗鬆症と言われたりすることが少なくありません。
 さらに、医療機関でも骨密度が正常範囲でも脊椎に明らかな外傷によるものではない圧迫骨折等があると骨粗鬆症と診断されます。なので、骨密度検査正常の骨粗鬆症の方もいらしゃるのです。最終的には骨密度の他にレントゲン所見や既往歴、血液検査等も含めて骨折のリスクを評価していくしかないのが現状です。
 健康フェアでの骨強度測定のみで、一喜一憂しない方がよさそうです。
 骨折は高齢者のQOLを著しく低下させます。高齢になってからは、生活習慣病より骨粗鬆症の方が疾患として重要なのではないかなと思うのは整形外科医の偏見なのかもしれませんが、少なくとも一度は骨折リスクの評価をきちんと医療機関で受けた方がよいと思います。骨粗鬆症の罹患率は生活習慣病に比べても決して低くはありませんが、生活習慣病に対する検診が毎年あるのに対して骨粗鬆症に対する検診は町田市にはありません。その辺は正しいかどうかより政治力なんだろうなというあきらめが最近ありますが、一般市民の方は自衛していくしかないのが現状です。
 本当は最初の脊椎骨折を防ぐ努力をするのが高齢になっても元気に動けるようにするために最も大切なのではないかなと思います。そのためには中年の世代から骨粗鬆症を意識する必要があります。

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