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2017年4月25日 (火)

不顕性仙骨骨折

 仙骨というのは腰椎を支える骨盤側の脊椎部分のことで、上に腰椎、両側に腸骨とつながっています。高齢者の腰殿部痛では、この部分が明らかな外傷がなくても骨折していることがあります。これを不顕性の仙骨骨折(脆弱性骨折)と言います。
 一般的な腰痛より下の方、殿部を中心に痛い方が多いですが、腰部から大腿近位に放散痛があることも少なくありません。下肢にしびれを生じたり頻尿や便秘などの膀胱直腸障害症状を呈することもあり、腰椎の病気との鑑別が難しいです。丹念に仙骨部に圧痛があるかどうか。骨盤側の圧迫や動作痛があるかどうかを確認することが重要となります。仙骨の骨折は転落や交通事故などの外傷ではレントゲンでわかることが多いのですが、骨粗鬆症性の脆弱性骨折ではレントゲンでは骨折が見えないことが多く、診断の確定にはCTMRIといった断層撮影が必要になることが多いです。本当に診療所でもMRIを持っているとよいなと思います。将来的に小型で高性能のMRIが診療所にも置けるとよいのですが、過剰検査になる恐れもありやはり病院に依頼する方が現実的なのかなと思います。
 仙骨の不顕性骨折と診断でき、腫瘍による病的骨折ではないと判定できれば、治療としては骨粗鬆症の治療をして骨癒合を待つということになります。1~2ヶ月すれば疼痛はかなり治まります。痛みが強いと入院する方もいますが自宅療養できる場合も多いです。
  腰椎の圧迫骨折と重複して仙骨にも不顕性骨折を生じる方もいて、このdouble lesionですとますます初期診断は困難です。骨折が治ってきてからレントゲンで気づくという結果になることもあります。
 仙骨骨折は通常治りやすい骨折なので比較的心配はいりません。どちらかというと骨粗鬆症の治療を強化しないといけない指標のような疾患かもしれません。

2017年4月17日 (月)

当院の在宅診療と自宅での看取りの現状

 当院は一昨年から在宅療養支援診療所として在宅診療を行っています。病院や介護施設への働きかけをそれほどしていないため、急速に増えているわけではありませんが、着実に増えてきています。最近は在宅でのお看取りも増えてきました。
 当院の在宅診療の特徴は、当院に通院していた方が通院困難になり在宅診療へ移行することが多いことです。ご家族も当院のかかりつけの方であることも多く、地域での総合的なかかりつけ機能の一つとして在宅診療に取り組んでいます。
 総合内科の専門医を中心に、運動機能障害や外傷では整形外科医が、褥瘡などでは皮膚科医が往診を行ってなるべく全人的に在宅診療を行うような体制となっています。これから高齢化がさらに進むと病院や介護施設でのお看取りも限界を迎える可能性があり、さらに在宅で看取りができる体制が求められています。
 実際にご自宅で看取ることができるのは、ほとんどが献身的で愛情の深いご家族のいる方です。一人暮らしであったり高齢夫婦世帯であったり働いている子供世帯との同居だったりという場合にどこまで在宅で対応できるのか。ご家族に無理な負担がかかって共倒れになっては大変です。経過中には様々なことが起こります。肺炎になったり怪我をしたり、認知機能が低下してきたり。その都度にそのまま自宅で様子をみるか入院が必要かショートステイなどを利用するか介護施設へ入所するか相談しながら対応していくことが必要です。
 理想の地域医療とは何でしょう。子供の頃から働く世代、そして高齢になり亡くなるまで。外来診療はもちろん、在宅診療も含めて診療所がどこまでできるのか。そこをとことん探求していきたいと思います。
 もちろん病院や介護施設からの初診の在宅診療も行っています。診察時や電話にてご相談ください。

2017年4月 7日 (金)

むしさされの季節

春がやってきました。花粉症になやまされているる方が大勢います。
せっかく暖かい季節なのに、憂鬱な方もいるようですが。
もうひとついきなり暖かくなってくるとでてくるいやなものがあります。虫です。
ここ数日、足首や顔に腫れてかゆいとおっしゃる方が数人来院されました。
やはり蚊でしょう。
庭いじりや外で長時間いるときは長靴を履いたり、厚めの靴下か長めのズボンをはいたりして虫対策を万全にしてください。庭いじりをするかたは顔の虫除け網も有効です。
腫れたことがある方はぜひホームセンターで買ってください。

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