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2017年5月11日 (木)

骨は硬いけれど折れやすい場合

 骨折しやすい病気というと骨粗しょう症が有名ですが、その診断は意外と微妙なものです。
診断基準では骨密度が70%未満とか、脆弱性骨折の既往があるとかいう基準がありますが、それだけでは骨の状態を評価することはできません。つまり「骨密度は良いのに折れやすい」という状態も稀ではないということです。
 骨粗しょう症には骨密度と骨質というふたつの要素が関係しているとされています。例えば糖尿病は骨密度が良くても骨質が低下しており骨折のリスクとされています。骨質が低下する状態にも注意した方がよいですが、今日の話はまたそれとは違うお話です。
 骨密度を測定する時、測定する部位の骨や関節が変形していたり、骨棘と呼ばれる突起を生じていたりすると、骨密度は高く測定されます。なので、単純に骨密度の測定値を見ても評価が実際の骨折リスクとは異なることがあります。腰椎でも大腿骨でも手首でも踵でも、骨の状態を把握した上で測定値を見る必要があります。
 強直性脊椎炎や強直性脊椎骨増殖症と言って、脊椎周囲の靱帯部分が骨化してしまう疾患があります。進行すると、脊椎全体で竹のように椎間板部分が節に見える一つの棒状になってきたりします。この状態ですと、骨密度の測定自体困難ですが、もし測定しても硬い結果になります。このような脊椎では周囲は硬くなるのですが骨髄部分は薄くなっていきます。なので骨は硬いけれど折れやすいという状態になることがあります。脊椎の圧迫骨折をしても、レントゲンでは判定できずMRIで初めて髄腔の骨挫傷の診断できることもあります。脊椎がポキッと変な部位で骨折して脊髄を損傷してしまうこともあります。
 強直性疾患のレントゲンをみて髄腔が薄いなと思う時に、骨粗しょう症の治療を勧めるべきかどうか。それには骨質の評価に加えてさらに歩行状態や全身状態を評価して骨折のリスクなども判断する必要があります。
 骨折のリスクについては、骨密度の他にも様々な評価が必要なことは理解していただいた方がよいかと思います。

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