DダイマーBNP検査機器導入について
久しぶりに新しい医療機器を導入しました。Dダイマー、BNP、H-FABPという検査を院内で行えるようにする機器です。
D ダイマーは主に血栓症の診断に用いる検査です。最近は片方の足が浮腫んだり腫れたりする方の中に深部静脈血栓症の方が稀ではありません。さらには肺に血栓が飛んでしまうと命に係わることもあるため、早期に診断して緊急で入院依頼などを検討する必要があります。院外の検査会社に依頼するとどうしても検査結果が翌日以降になってしまうため以前から院内で検査できるようにしたいと思っていました。もちろん足が浮腫んだ方すべてに測定を要するわけではなく、特に肺塞栓症が心配される方に対して測定する予定です。
BNPは主に心不全の経過をみるのに使用します。高齢者の心不全で重症度や予後予測にある程度有用です。心不全があっても動かない生活をしていると胸部症状を訴えないこともあります。両足が浮腫んでいたり、心雑音が強い場合など、どの程度の心不全なのかを類推する場合などに有用です。
H-FABPという検査は主に心筋梗塞の急性期の判断補助に使用します。急な胸痛や背部痛などでは心疾患の鑑別が重要で主に心電図や胸部レントゲン等を行いますが、診断の補助としてH-FABPは有用と言われています。ただ、発症から測定までの時間で偽陰性となったり、検査結果の解釈が難しい場合もありどんどん測ればよいという検査でもありません。
これで当院の院内血液検査体制は診療所としてはほぼ合格点になるのではないかと思います。適切な場面で最小限使うよう、うまく使いこなしていきたいと思います。
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