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2017年9月 1日 (金)

炎症反応のない炎症

 検査結果に対する医師の反応を見ると、その医師の経験値や技量が少し類推できるかもしれません。
 経験が浅く非典型例にあまり遭遇していないうちは、検査結果を覆すのはなかなか難しいものです。なので検査をして特に問題がないと、「異常ないです。」と説明してしまいがちです。いろいろな症例を経験すると、レントゲンでは正常な骨折とか検査では問題ない病気などが少なくないことが実感として分かります。なので検査値で異常がなくても、「検査では異常ないですが、〜〜の疾患を完全には否定できません。」などと説明することも少なくありません。断定した方が名医っぽいですが、ドラマのように断定する医師は基本信用できません。
 関節炎や腱鞘炎などで、血液検査では炎症反応が正常ということが時々あります。この場合、どういう経過なのか、他に関連のある所見はないか、患部の所見がどうなのかということをいろいろ検討して診断する必要があります。特に触診で腫れているかどうか、水腫のフヨフヨした感じなのか滑膜炎のブニュッとした感じなのか、外傷などの腫れ具合なのか、とにかく見て触れて患部がどうなっているのかを確認しないと、検査結果のみでは騙されることが少なくありません。
 触診の補助診断として最近大変役に立つのはやはり超音波検査だと思います。採血結果で陰性でも超音波検査では燃えるように腫れていることもあります。もう超音波検査機器がない診察室で診察することは想像できないくらい重宝しています。
 関節リウマチの治療中では、薬によって検査結果が陰性化していると大丈夫と言われることも少なくありませんが、実は関節の腫脹が治っていないということも時々あります。血液検査で炎症反応がなくても触れてみると腫れているということも少なくありません。手指の関節には見た目にも腫脹がなく、足の指の関節の腫脹のみですと検査結果が正常だとそのまま見過ごされ続けることも否定できません。検査結果が大丈夫でも抗リウマチ剤の増量が必要という場合もあります。
 検査というのはあくまで診断の補助だということは理解していただいた方がよいと思います。健診結果も、あくまで健診時に異常所見を見い出せないということかもしれません。医師は視診や触診以外にも匂いや雰囲気など五感をフル回転して診察しています。整形外科ですとさらには実際に動いていただいたり、動かしてみないと分からないこともあります。初診以降の経過をみないと分からないこともあります。検査で問題なくても、症状が完全になくならなかったり何かおかしいというようなことがあれば、積極的に話していただいた方が的確な診断に近づけます。
 医師の診察はまだまだAIで代用できないと思いますが、未来の世界では全身スキャンなど検査だけで即座に診断できる時代が来るのでしょうか。

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