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2017年10月 5日 (木)

運動後横紋筋融解症

 横紋筋融解というと、震災の時に建物等の下敷きになった方に生じるクラッシュ症候群や、コレステロールを下げる薬などの副作用として報告されている薬剤性の横紋筋融解症が思い浮かびます。その他にも熱中症で深部体温が過剰に上昇すると生じることがあります。
 横紋筋融解症とは、上記のような状態で筋肉自体が障害され、カリウムなどの電解質やミオグロビンという筋肉の成分が大量に血液中に流入することで心臓の障害や腎臓の障害を引き起こし致命的となることもある疾患です。
 上記の様な明らかな非常事態が原因ではなく、ふつうの運動後に横紋筋融解を生じることも稀にあります。高い負荷での筋肉トレーニングを行った場合などに、筋肉が一気に障害されて横紋筋融解が起きることもあります。運動後筋肉痛になるのは普通のことですが、異様に筋肉痛が強かったり持続したり、夜痛くて眠れない等ふつうでない経過の場合には一応横紋筋融解の可能性も頭に置いた方がよいかもしれません。尿が血尿の様に赤くなるのが典型的で、これはミオグロビンが尿中に含まれているためでポートワイン尿とも呼ばれます。
 診断としては、血液検査で筋肉が痛むと上昇するCKという項目を測定したり、尿検査でミオグロビンを測定したりします。当院の院内検査では残念ながらCK,ミオグロビンは行えませんが、カリウムや腎機能、LDH、尿検査などで評価を行うことは可能です。筋肉の超音波所見は、肉ばなれや筋挫傷の所見とは異なり、全体的に筋肉は腫れて筋線維が不整になっているように見えます。
 いったん横紋筋融解症が起こったら、とにかく至急全身状態のチェックと管理を行うことが大切です。特にミオグロビン尿が増悪すると腎不全を起こしてしまうため、場合によっては透析を行うこともあります。脱水にならないよう注意して、検査結果によっては点滴を行う必要もあります。
 運動後はとりあえず脱水にはならないように注意した方がよいと思います。筋肉痛が通常とは違い眠れないとか、尿が赤いということがあったら緊急でもよいので早めに医療機関を受診した方がよいかもしれません。

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