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2017年10月 7日 (土)

パンコースト腫瘍

 肩こりと言うと医学的には肩の疾患より頚椎から肩甲帯の疾患を考えますが、特に上肢や手指にしびれや放散痛を伴っている場合、整形外科的には頚椎疾患を一番に考えます。年齢的に頚椎がすり減っていたり変形していると、頚椎症性神経根症や頚椎椎間板ヘルニアなどの可能性が最も高いです。その他の可能性としては、胸郭出口症候群や末梢神経疾患、上肢動脈疾患などの鑑別が必要です。
 頚椎のレントゲンを見る時に、整形外科医がまず最初に見る部位というのは頚椎自体ではなく肺尖部と呼ばれる肺の上端です(「そんなことねーよ」と同業者には言われそうですが)。ごく稀に、肺尖部に腫瘍があって上肢へしびれや痛みを生じていることがあります。このような腫瘍をパンコースト腫瘍と言います。もちろん上肢の症状があれば鑑別診断の一つに挙がるのですが、頻度は稀で、早期診断をするのは非常に難しいと思います。
 早期ですと頚椎のレントゲンでは見えないことも少なくありません。頚椎疾患を中心に考えている場合は次に頚椎のMRIを行いますが、頚椎MRIでも撮像範囲に入っていないこともあります。
咳や痰、息切れなどの症状があれば診断に近づきますが、パンコースト腫瘍の場合は内科的な症状は出ないことも少なくありません。
 診断に至る過程としては、徐々に上肢の症状が増悪する場合、夜間痛など安静時痛もある、上胸部や肩甲骨方向へ疼痛範囲が広がる、体重減少や体調不良なども生じてくる、頚椎の所見と神経のレベルが合わないなど、頚椎の疾患にしては非典型的になってきて、頚椎レントゲンを間隔をあけて撮り直すか、胸部レントゲンやCTを追加するかなどして発見されるというようになることが多いです。整形外科で診断できる前に検診の胸部レントゲンで発見されるという場合もあり、この場合見落としではないかと思われるとは思いますが、早期に診断できた場合の方が奇跡に近いと思います。
 腫瘍性疾患の症状の特徴としては、しびれや痛みが一時的に軽快するようなことなく徐々に増悪していくことが多いです。上肢のしびれや肩こりなどが徐々に増悪する場合、頚部や腋窩も含めて腫瘍による症状のことも考慮する必要があります。

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