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2017年12月 6日 (水)

虫様筋損傷とクライミング

 恥ずかしいのでほぼ秘密ですが、最近ボルダリングをかじっています。近くにボルダリングジムができて以前から気になっていたのですが、肩関節痛も収まって動くようになったので子供と一緒に行ってみました。この年齢から本格的に上級を目指すのは無理そうですが、自分のペースでいつでもできて、子供の頃木登りや化石山で遊んだ感覚がして楽しいので趣味の一つにしようかなと思っています。
 クライミングとかボルダリングというと、整形外科医としては虫様筋損傷という疾患が頭に浮かびます。手の虫様筋というのは手のひらの奥にあり、指を屈曲する腱から始まり、指を伸展させる腱に付いている小さな筋肉です。通常筋肉というのは端が腱になって骨に付いていますが、この筋肉は腱から腱に渡っているような構造になっており、この筋肉が働くと指のDIP,PIP(第1,2)関節が伸展しMP(拳に相当する部分)関節が屈曲します。なので指で物を握ったりつまんだりする時に働きます。特に環指、小指の虫様筋は手のひらの奥では両隣の指の腱に橋渡しするように付いています。
 虫様筋損傷は、クライミングの上級者等が一つの指でぶら下がったりする時に虫様筋が隣の指との間で引き伸ばされるようになり損傷されます。特に環指、中指の虫様筋は橋渡しのようになっているため、中指か環指の1本でぶら下がるか、示指と中指の2本でぶら下がって環指は外すとその間で虫様筋が近位方向と遠位方向と別の方向に引き伸ばされて損傷されることが多いようです。典型的には受傷時にプチッとかビシッとかいう音を自覚して腫れてきますが、あまりポップ音は気付かない方もいます。この外傷は受傷機転から考えても、ほとんどがクライミングやボルダリングで生じるようです。私が診察した方も今のところクライミング関係の方のみです。
 治療としては、一つの指へ負担をかけることを避けて修復を待つ場合がほとんどです。損傷した虫様筋が引き伸ばされないよう隣同士の指をテープで固定するbuddy tapingをする場合もあります。文献上はやはり一つの指でのパフォーマンスがやや低下するとされていますが、大きな障害になることは少ない印象があります。
 自分も虫様筋損傷を起こすくらいのレベルまで頑張ってみたいと思いますが、一つの指で体を支えられるなどやはり超人ですよね。

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