橈骨頭骨折
肘は肩側に上腕骨、手の方には橈骨と尺骨という二つの骨があり関節を形成しています。手をついて転倒したりした後に、痛みが軽くても曲げ伸ばしがしっかりできない場合は早めに医療機関を受診した方が安全です。
肘の曲げ伸ばしが困難になる外傷にも様々ありますが、肘の外側の原因の一つに橈骨頭骨折や橈骨頚部骨折があります。この骨折は変形が少ない場合痛みはそれほどありません。特に大人では痛みが主訴ではないことが少なくありません。怪我をしてから数日から1週間もしてから肘が動かしづらいということで来院されることも少なくありません。
レントゲンで「骨折ですね。」と話しても、骨は折れていないんじゃ無い?と不審がられることもあります。
骨折での変位が強く完全にズレている場合は痛みも強くすぐに診断されやすく、手術的にネジ等で整復固定されたりします。場合によっては人工骨頭などに置き換えられる場合もあります。受傷して後日診断される場合には変位が小さい場合がほとんどです。骨折での変位が小さい場合は骨が安定するまでシーネ(副木)等で固定して経過観察をします。骨折と診断されず動かしていると徐々にズレてきて手術が必要になることもあるため注意が必要です。
この骨折で来院される方は年間数人くらいですが、早いうちに診断できればほとんどの場合大きな問題なく治ります。