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2018年11月16日 (金)

ビタミンDの測定について

 10月から骨粗鬆症に対してビタミンD25OHVitD)の血液中濃度が保険で測定できるようになりました。日本人では多くの方でビタミンDが不足していると言われており、健常と思われる日本人の成人でも5070%はビタミンD欠乏と判定されるという文献もあります。

 骨粗鬆症は骨が弱くなり骨折しやすくなってしまう疾患の一つで、高齢になってから骨折を繰り返すと疼痛や運動機能の低下により要介護状態になってしまう原因として重要な疾患です。大腿骨頚部骨折の予後(生存率)は胃癌などより悪く、自立した老後を過ごすためには骨粗鬆症の予防と治療は生活習慣病と同じくらい大切です。

 治療としては骨折をきちんと防ぐには骨粗鬆症専用の薬が必要ですが、カルシウムやビタミンD が不足しているとそれらの薬の効果も弱くなってしまうためカルシウムやビタミンDも併用する場合が多いです。また最近は効果の高いビタミンD製剤があり、ビタミンDの処方のみで経過観察していただくことも少なくありません。

 今まではビタミンDを測定することが出来ませんでしたので、血液中や尿中のカルシウム濃度を測定したり骨代謝マーカーというものと測定したりして調整していました。これからはビタミンDを測定できるため、普段の食生活の中でどれくらい不足しているのかがよく分かるようになりました。測定は基本治療前の1回です。なので、治療は考えていないけれどビタミンDの検査だけ受けたいという場合は保険で検査を行うべきではないかなと思います。

 ビタミンDの測定値は夏に高くなり冬に低くなるという傾向があります。これは日照時間の影響で紫外線曝露時間等が影響するためで、同じように緯度の高い地域の方が低値になる傾向があるようです。これから冬になると、より一層食生活でもビタミンDを摂取して日向ぼっこをした方がよいかもしれません。

2018年11月11日 (日)

学校イップス

 最近、ブログの筆が止まっていました。その間こんなこと書いてよいものか逡巡していましたが、やはり同じように思い悩んでいる方も少なくないのではないかと思い、書いてみることにしました。

 この頃は不登校のことばかり考えています。事情は察していただければ幸いです。最初の頃はやはり親として狼狽し右往左往して何とか元通り通学できないかと考えましたが、今ではもう別の道を行くのも良しと思えるようになりました。

 予兆のうちは時々頭が痛いとかお腹が痛いといって休む程度でしたが、ある日「もう行かない。」と言って全く行かなくなりました。何とか頑張って復学しようと思いましたが、ある時まるでイレウスのような腹部の激痛を訴えて病院に入院して、そんなにつらいのかと気づかされました。
 もう無理に行かなくていいよということになってからは、日々元気に過ごしています。学校に行こうと努力したり考えたりすると体が動かなくなったり様々な愁訴を生じますが、そういうプレッシャーがなければ普通に活動もでき笑顔でいることもできます。

 なので精神的に病んでいる状態での不登校とは違うものと思います。もちろん正確には精神的な要素や発達面での問題等も完全には否定できませんが、それはまるで学校に対するイップスのようだと思うようになってきました。

 神様はこれに備えるために自分をひどいイップスにしたのか。

 この歳になって、初めて何で30年も前に自分がイップスを経験したのか神様の意図を理解しました。イップスは自分史上最大の暗黒時代かもしれないほど悩まされました。幼稚園の時に始めたテニスで、大学になってからサーブとスマッシュとフォアハンドストロークが全く打てなくなってしまった時には本当に目の前真っ暗でした。

 イップスはゴルフや野球で有名ですが、それまでできていたプレーが怪我などではなく自分の体をコントロールできずにプレーできなくなってしまう状態のことです。その動作以外の普段の生活には全く支障はなく、私の場合もバックハンドストロークは普通に行うことができました。なので、学生時代の最後の頃は試合は全てバックハンドに回り込んで打つという状態でした。

 自分のイップスを考えると、人間には思考する自分と身体を支配する自分がいて、イップスというのは身体の自分がその動作を拒否している現象なのではないかと思います。思い切り心身二元論ですが。思考する自分がいくら頑張ろうと思っても精神を整えようとしても、頑なに身体の自分が拒否して別の動きをする。なので向精神薬もカウンセリングも思考する自分に対する対処法は効果がありません。身体の自分の言うことを聞いて、その動作を止めるしかないのではないかなと思います。もしかしたら脳の一部に障害を生じているのかもしれません。回復するのには数ヶ月単位とか数年単位とかかかる損傷なのかもしれませんが、修復することはするようです。焦ってみても仕方がないのかもしれません。

 軽いイップスであれば、フォームを変えてみるとか用具を変えてみるとかで何とかその競技を続けていくこともできると思いますが、重度のイップスでは自分の体ではないみたいに体が言うことを聞かないのでその競技自体がもう無理だと思います。まさにジストニアという状態です。

 イップスの体験者から見ると、運動以外でも様々なイップスが世の中にはあるんだなと思います。たとえば書痙は昔から医学書にも書かれていますが、あれは書字イップスという状態だと思います。一時新型うつ病と言われていた、仕事に行こうとすると鬱になるけれど仕事に行かなければ元気に遊んだり出来るというものは、その仕事に対するイップスなのかもしれません。

 イップスだとしたら、根本的にはいったん身体の自分が拒否していることからは離れるしかないと思います。大人なら、職務を変えるとか転職するとかいろいろな方法があるでしょう。しばらく労災で休職する方もいます。

 子供が学校に対してイップスになってしまったら、どんな方法があるのでしょうか。別に学校に行かなくても立派に大人にはなれるでしょう。その子にあった道を探していくことが親の役割なのかなと思うようになりました。そういう視点から子供の世界を見てみると、大人に許されている様々な手段が子供にはほとんど用意されていないことに気づきます。みんなと一緒に学校に通い、同じ勉強、同じ運動をして同じように進学を目指す。そこから逸れてしまうともう知らん。自分たちで勝手にせい。というのがこの国の方針のように思われてしまうほど親の心身は追い込まれるように思います。

 同じように一本道から逸れてしまった子供の居場所、成長する過程を作っていく作業をしていきたいなと思う今日この頃です。この近辺にはそういう場所はなかなか見当たらないのではないでしょうか。クラウドファンディングでもしたら、この近辺でもそういう場を立ち上げることができるでしょうか。もしかしたら相談できる小児精神専門医やカウンセラーを診療所に招いたら助かる親子も少なくないでしょうか。

 かなりエネルギーのいる作業かもしれませんが、前向きに思考回路を回していきたいと思います

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