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2019年2月27日 (水)

駐車場シェア事業

 国は医療費削減のため在宅医療を推進していますが、在宅診療で大きな問題となっていることの一つに駐車場所の確保があります。これは介護事業でも同じですが、往診した時や訪問看護やヘルパーさんの訪問時に、車を家の前に止めておくと駐車違反となってしまうことがあります。同じ車が3回駐車違反を起こすと車検証が停止されてしまうということをご存じでしょうか。在宅医療や在宅介護をしていて車検証が停止されてしまうとか、制度的にどうなのでしょう。

 患者さんが急変されて自宅に駆けつけて、診察したり御看取りしたりして玄関から出た時に駐車違反の紙が車に付いていたとしたら、「今捕まえるか?」とやりきれない気持ちになるのは間違った感情でしょうか。訪問看護やヘルパーさんでは、駐車場所が確保できない場合は受け持ちをお断りする事業所も出てきています。今後、自宅で療養したいと思っても、駐車場所がないから入院とか施設入所ということにもなりかねません。

 最近、地域の商店や事業所、民家の空き駐車場などを活用しようという話が進んでいるそうです。町田市でも駐車場シェアシステム委員会というのが立ち上がって、空いている時間帯だけでも駐車場を在宅診療や訪問看護、訪問介護のために貸していただけますと大変助かります。

 特に団地は、昼間に往診に行くと駐車場でガラガラに空いている所が多々あるのですが駐車するのは路上になるのでどうにかならないものかと思います。狭い道路の住宅街でも、駐車場を貸していただけると道路の往来の邪魔になることもなくなり良い試みだと思います。

 事故の時の対応などもしっかり協議されているようなので、ぜひ参加をご検討ください。

2019年2月20日 (水)

皮下気腫

 皮下気腫というのは、皮下脂肪層の辺りに空気が入り込んでしまっている状態で、皮膚を押すとブニュブニュと独特な感触があります。

 皮膚の下に空気が入り込む原因としては、肋骨骨折等で肺の方に損傷が及ぶと胸郭内から空気が皮下に漏れるということが多いです。稀には気管や気管支の損傷や気道の壁にできた悪性腫瘍等が潰瘍を作り穿破するとそこから皮下に空気が漏れることもあります。

 上記のように、皮下気腫を生じているということは、重症の疑いが強いということを示しています。

肋骨骨折で全身状態は安定していても、皮下気腫がある場合はCTを行ったり総合病院へ精査入院をお願いしたりする必要がある場合が少なくありません。

 交通事故や胸部打撲等の後は、肋骨部の痛みの他に息苦しさや皮下気腫の有無に注意していただけるとよいかと思います。

 

2019年2月18日 (月)

キャッシュレス決済と医療

国はキャッシュレス決済を推進するそうで、メディアでは便利だとかコストが削減できるだとかメリットばかりが報道されていますね。公平な報道よりスポンサー様命な姿勢には辟易とします。

 確かに一般の商売では、キャッシュレス決済は便利でどんどん使えばよいかと思います。しかし、医療には公費が投入されており、事業全体の規模は拡大しないように制限されているので他の商売とは対応が異なるのではないかと思います。

 もしキャッシュレス決済が今のまま進み完全にキャッシュレスになったら、世の中はキャッシュレス決済を提供する階級とそれを使用する階級の二つに分類されるでしょう。キャッシュレス決済というのは要するに売買の度に約3%をキャッシュレス決済運営会社にショバ代として払うという話しです。それは100億や200億を空からばらまいてもすぐに回収できるとキャッシュレス運営会社は思うでしょう。

 国の医療費を約42兆円として、その13がキャッシュレスで支払われるとすると約4200億円がそのままキャッシュレス決済会社の収益になるということです。全てキャッシュレスになったらその314兆円が自動的にその手の企業へ流れていきます。もちろん国の医療費はこれ以上増大することは抑えたいはずなので、その分を他で削減するという話しになりかねません。国の、社会保障費もなるべく経済界に流したいという姿勢は諮問している人間の意向なのかもしれませんが。

 公費を含む決算をキャッシュレスにしていくのであれば、手数料が国庫に入るような公的なキャッシュレス決済システムなどを作るべきなのではないかなと思います。

 資本主義というのは結局は天井知らずに儲かる階層とその他の階層という二つの集団に集約していきやがて崩壊するという現象を繰り返すばかりなのかもしれません。人間って何千年経ってもちっとも進歩しないものですね。

 医療機関としてキャッシュレス決済を導入すべきかどうか。便利だとは思いますが、現状のままで導入してもよいものかどうか。導入しても高齢な多くの方は使用しないでしょうし。悩ましいところです。

2019年2月 4日 (月)

骨粗鬆症の薬は副作用が多いのか。

 骨粗鬆症は特に女性の場合70歳中頃になると半数の方が該当するように非常に頻度の多い病気です。骨粗鬆症による骨折は日常生活に障害を生じたり慢性的な疼痛を生じたり、心肺機能や消化器症状を生じたり、QOLを障害することが多いため、健康に過ごせる長寿を目指すのであれば非常に重要な疾患だと思います。

 しかしこれほど多くの方が罹患し、寝たきりの原因としても重要な疾患であるのに検診もなく治療率も低いのは何故なのでしょうか。その原因にはいろいろな政治的要素もありそうですが…。

 骨粗鬆症の治療をお勧めしても、「骨粗鬆症の薬は副作用が多いから飲みたくない。」という方は少なくありません。確かに骨粗鬆症の薬も医薬品なので様々な副作用がありますが、他の薬と比べて副作用が多いのかというと、決してそんなことはありません。

 内科からたくさん薬をもらっている方にそれを言われると、「内科からの薬にも同様に様々な副作用はありますが。」と思います。降圧剤やコレステロールを下げる薬や糖尿病の薬や血をサラサラにする薬などにも重篤な副作用はゼロではありません。なぜ骨粗鬆症の薬だけが副作用を強調されているのでしょうね。

 一つには歯科医師がそう宣伝している面が大きいと思います。ビスフォスフォネートやデノスマブという骨吸収抑制系の骨粗鬆症薬で、歯科治療時に顎骨壊死という副作用を生じることがあります。これは歯科医師にとってはかなり不安な副作用であることは事実です。なので、歯科医師によっては、「骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は治療しません。」と一律に診療をしない先生もいます。

 カルシウムやビタミンDのみを飲んでいても、そう言われてしまうことが少なくありません。そうするとそう言われた患者さんは、友人に「骨粗鬆症の薬は怖い。」と話して拡散していくことになります。

 もう一つは、内科医が骨粗鬆症について重要視していないことも原因だと思います。薬が増えてきた時に、まず骨粗鬆症の薬を中止する内科医も少なくありません。内科医も専門医が多く全科的な思考で診療ができる方は少ないので仕方がないのかもしれません。

 基本的に骨粗鬆症の薬が不安な方には無理には治療を勧めないようにしています。無理矢理飲んでいただいても続かなければ薬がもったいないのと効果も見込めないためです。

 そういう方でも、骨折をするとその後骨粗鬆症の治療を受け入れることが多いです。本当は最初の骨折もなるべく防いだ方がよいのですが、最初の骨折で腰が曲がっても人工骨頭が入っても、そのまま寝たきりになったりしなければ受容する過程として仕方がないのかもしれません。

 できれば骨粗鬆症について理解のある歯科医院に通院するようにしてください。定期的にクリーニングなどしていただければ顎骨壊死の副作用はかなり防止できますし、そもそも連携して相談しながらであれば必要時に薬を変更したりも可能です。本当は骨粗鬆症の方へのインプラントの前にPTH製剤で骨を補強したりと、顎骨の維持のためにも骨粗鬆症の治療は有用なはずなのですが。

 骨粗鬆症の薬も種類がかなり増えてきて、今年また新しい機序の薬が登場します。この近隣には骨粗鬆症の薬に拒否反応のある歯科医師が多い?こともあり、当院では骨吸収抑制系の骨粗鬆症薬は他の整形外科医と比べればなるべく使わないようにはしていますが、やはり現状主流の薬ではあるのでそこそこ使っています。カルシウム濃度や骨代謝マーカー、腎機能など、副作用の有無を定期的にチェックすることももちろん重要です。

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