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2019年2月 4日 (月)

骨粗鬆症の薬は副作用が多いのか。

 骨粗鬆症は特に女性の場合70歳中頃になると半数の方が該当するように非常に頻度の多い病気です。骨粗鬆症による骨折は日常生活に障害を生じたり慢性的な疼痛を生じたり、心肺機能や消化器症状を生じたり、QOLを障害することが多いため、健康に過ごせる長寿を目指すのであれば非常に重要な疾患だと思います。

 しかしこれほど多くの方が罹患し、寝たきりの原因としても重要な疾患であるのに検診もなく治療率も低いのは何故なのでしょうか。その原因にはいろいろな政治的要素もありそうですが…。

 骨粗鬆症の治療をお勧めしても、「骨粗鬆症の薬は副作用が多いから飲みたくない。」という方は少なくありません。確かに骨粗鬆症の薬も医薬品なので様々な副作用がありますが、他の薬と比べて副作用が多いのかというと、決してそんなことはありません。

 内科からたくさん薬をもらっている方にそれを言われると、「内科からの薬にも同様に様々な副作用はありますが。」と思います。降圧剤やコレステロールを下げる薬や糖尿病の薬や血をサラサラにする薬などにも重篤な副作用はゼロではありません。なぜ骨粗鬆症の薬だけが副作用を強調されているのでしょうね。

 一つには歯科医師がそう宣伝している面が大きいと思います。ビスフォスフォネートやデノスマブという骨吸収抑制系の骨粗鬆症薬で、歯科治療時に顎骨壊死という副作用を生じることがあります。これは歯科医師にとってはかなり不安な副作用であることは事実です。なので、歯科医師によっては、「骨粗鬆症の薬を飲んでいる方は治療しません。」と一律に診療をしない先生もいます。

 カルシウムやビタミンDのみを飲んでいても、そう言われてしまうことが少なくありません。そうするとそう言われた患者さんは、友人に「骨粗鬆症の薬は怖い。」と話して拡散していくことになります。

 もう一つは、内科医が骨粗鬆症について重要視していないことも原因だと思います。薬が増えてきた時に、まず骨粗鬆症の薬を中止する内科医も少なくありません。内科医も専門医が多く全科的な思考で診療ができる方は少ないので仕方がないのかもしれません。

 基本的に骨粗鬆症の薬が不安な方には無理には治療を勧めないようにしています。無理矢理飲んでいただいても続かなければ薬がもったいないのと効果も見込めないためです。

 そういう方でも、骨折をするとその後骨粗鬆症の治療を受け入れることが多いです。本当は最初の骨折もなるべく防いだ方がよいのですが、最初の骨折で腰が曲がっても人工骨頭が入っても、そのまま寝たきりになったりしなければ受容する過程として仕方がないのかもしれません。

 できれば骨粗鬆症について理解のある歯科医院に通院するようにしてください。定期的にクリーニングなどしていただければ顎骨壊死の副作用はかなり防止できますし、そもそも連携して相談しながらであれば必要時に薬を変更したりも可能です。本当は骨粗鬆症の方へのインプラントの前にPTH製剤で骨を補強したりと、顎骨の維持のためにも骨粗鬆症の治療は有用なはずなのですが。

 骨粗鬆症の薬も種類がかなり増えてきて、今年また新しい機序の薬が登場します。この近隣には骨粗鬆症の薬に拒否反応のある歯科医師が多い?こともあり、当院では骨吸収抑制系の骨粗鬆症薬は他の整形外科医と比べればなるべく使わないようにはしていますが、やはり現状主流の薬ではあるのでそこそこ使っています。カルシウム濃度や骨代謝マーカー、腎機能など、副作用の有無を定期的にチェックすることももちろん重要です。

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