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2019年3月 3日 (日)

サッカーボールを忘れた体育教師

 今週末は医療情報システムのシンポジウムに参加してきました。世の中IoT,AI,ロボットなどが急速に進化していますが、医療の世界でも最近は徐々にそれらの技術が使われるようになってきています。先進地域では病診連携や医療介護連携にもIT技術が使われ、健診データも共有され、救急隊にも緊急時にはそれらの情報が連携され実際に介護保険料が減少傾向に転じたり透析導入が減ったりといった成果も報告されていました。今後は東京でも様々な情報がネットワーク化され自動化されていくものと思いますが、どうにも上手く進展していっていないのが現実です。

 現状をどう表現すれば良いのか分からなかったのですが、例えるならばサッカーが全く普及していない国でサッカーボールを準備し忘れた体育教師が校庭に生徒を集めて、「これからみんなで話し合ってサッカーをやりなさい。」と命令している状況と同じなのではないかと思います。

 生徒達は校庭で円座になって、「サッカーとは何か。」「サッカーボールはどんな物か。どうやって調達するか。」といったことから相談しないといけません。今の地域連携会議というのはまさにこの段階です。それも全国各地で別々に話し合っているので、サッカーの概念も地域それぞれだし使うサッカーボールもそれぞれ異なるというように話が進んでいっています。当然賢い生徒達はいろいろな言い訳をつけて教室で自習するでしょう。多くの医師や歯科医が地域連携会議に興味を示さないのはある意味、今の話し合いに意味を見いだせないからではないかなと思います。

 ある地域では足以外でボールを扱ってはいけないというルールにしたり、他の地域では頭以外は大丈夫というルールだったり。サッカーボールも地域によって20cmだったり30cmだったり40cmだったり。重かったりビーチボールみたいだったり。

 それぞれの地域で独自のローカルルールができあがれば、それぞれの地域でサッカーとして楽しむことはできるでしょう。でも、全国大会になったらどうするの?という疑問が沸かないことが不思議でなりません。

 地域での話し合いに参加していて、これってまず最初に全国的なルールやボールを決めるべきなんじゃないの?という考えが頭に浮かんでしまいます。

 この週末のシンポジウムに参加してみて、各地で大変な労力と資金を使ってすばらしいシステムを構築していっているけれど、結局そのほとんどが泡と消える運命なんだろうなと思うとやりきれない気持ちになりました。

 校庭で円座を組んだ生徒達がまず初めに話し合うべきなのは、この体育教師をどうするかということなのかもしれません。

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