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2019年6月30日 (日)

50歳の原点

 生まれてから半世紀が経ちました。いろいろ考えてしまってまとまらず、ブログを書けずにいました。結構生きたなと思います。もうそろそろ死んでも悔いはないかもしれません。そう思ったのは久しぶりに「20歳の原点」を読んだからかもしれません。なんと本屋さんで「20歳の原点」フェアが行われていました。まさか漫画版まで出るとは。確かに彼女が亡くなったのは私が生まれて12週間後。今年は没後50年ということですか。この本は人生で最も影響を受けた本の中の1冊です。中高の頃は哲学に傾倒しており彼女の内省的で自己矛盾に満ちた大学生活と最期は衝撃でした。共感してしまう自分と乗り越えなければと思う自分とが居て悩んだものです。結局自分の哲学や倫理観を実践するために医師を目指したのですが、今それとどれくらい向き合えているのか再考させられました。

 区切りの歳になると毎回思うのですが、思い残すことのないように生きていきたいものです。これまでの半世紀、どうしても自分の周りに厚い殻を作り自制して生きてきたように思います。それはやはり中高の時に自分には自由は内包できないと諦め自律を目指したことが根本になっているからかと思います。自律するため、内省して自制しなるべく自分を外に出さないようにしてきたような気がします。

 50になり、そろそろ自制の殻を破り外に出て行かないと終われないのかもしれない。内包してきた自由を解き放たないと後悔の残る人生になってしまうのではないかと。一方で自分の実存を具現化したらどうなってしまうのか。全てをぶっちゃけたらどうなるのだろうかと。もう遅すぎるのかもしれませんが、50歳を原点として再出発する意気込みでこれからもやっていかれればと思います。笛を湖底に沈ませることなく、大空に向かって奏でられるように。

2019年6月 1日 (土)

子供の腰痛は早期診断が望ましいです。

 子供にも腰痛を生じることはあります。親は大したことは無いと思いがちですが、医師としてはかなり心配な場面も少なくありません。

 ひとつは、スポーツをしているような子の腰痛です。特に1015歳くらいの成長期にスポーツをしていて腰痛を生じた場合、腰椎の疲労骨折(分離症)の場合は少なくありません。腰が痛かったけれどレギュラーを外れたくないしそのままプレーしていたとか、マッサージなどしていたけれど治らないということで時間が経ってから来院された場合、もう分離が完成している場合も少なくありません。分離が完成していると、根治的に治ることは困難です。経過により手術的に固定することもありますが、多くの場合疼痛増悪時などに対症療法を行うようになります。腰痛が原因でパフォーマンスが上がらずそのスポーツ自体をあきらめざるを得ない子もいて、残念に思うこともあります。

 腰痛を生じて早期であれば、最近はMRICTといった精密検査を早めにお勧めするようにしてます。レントゲンではまだ所見のない段階でも、精密検査で早期診断出来る場合も多く、その場合目安3ヶ月は負担をかけないようにして硬性コルセット等で固定すると分離せずに骨癒合が得られる場合が多いです。そうすると根治的に治まり後遺障害は避けられます。

 構造的に潜在性二分脊柱などがあり、腰椎を痛めやすい場合はより注意が必要かと思います。

 もうひとつは、心因性の腰痛の存在です。レントゲンやMRIなどでも明らかな異常はなく、身体所見としても合理的に説明できる疾患が想定困難であるのに腰痛が続く場合があります。小学校6年生とか中学3年生とかだと、ストレスやプレッシャーから肩こりや腰痛を訴える場合もあります。その他の場合でも、何か心因性の要因がある場合もあります。この場合整形外科のみで疼痛をコントロールするのは難しいですが、リハビリでPTと話したり機能訓練していると症状が緩和する場合もあります。親御さんが診察の時に「本当に痛いの?」などと言ってしまうことがありますが、本人としては本当に痛いのです。そこは信じてあげて、疼痛の原因となっている背景について一緒に考えてあげていただきたいと思います。

 若年発症の強直性脊椎炎など、診断が困難な疾患もあり得ます。そういう場合は一度その筋の専門医へ紹介して受診されるとよいかもしれません。ごく早期だと診断されないこともありますが、ひとつひとつ診断に近づくようにアプローチすることは重要かと思います。

 

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