「シャンプーや石鹸を使うな。」という皮膚科医の家庭は
季節柄、皮脂欠乏性湿疹等の方が皮膚科をたくさん受診されています。診察室が隣なので、「シャンプーや石鹸は皮膚が荒れるし必要ないので使わないようにしてください。」という声がよく聞こえてきます。内心、患者さんが怒ってしまうのではないか心配になったり、「そんなの無理じゃね?」という患者さんの心の声が聞こえてくるような気がします。
それでは実際そういう指導をしている皮膚科医の家庭はどうなっているのかというと、一応無添加固形石鹸と脂漏性皮膚炎用のシャンプーは置いてあります。実際石鹸を使っているのはほとんど私だけだと思いますが。現状家族全員インドアな生活しかしていないので、それほど汚れることもないのですが、慣れてしまうと全く気にならないものです。自分は唯一許可された整髪料である椿油を寝る前に落とすために頭を固形石鹸で洗っている訳ですが…。化学的には椿油は固形石鹸で落ちるはずなので、まあいいかという感じなのですが…。
これも一般の方には無理なことかもしれませんが、うちでは化粧品や整髪料の類いも、椿油しか置いていない…ので、皮膚が荒れるような原因物質もほとんどないのが現実です。結果、家族で常に皮膚の荒れている者は誰もいません。
これで良いのか?正解なのか?皮膚の荒れる物は使わない→皮膚が荒れない→保湿剤や化粧水なども必要ない→診療や治療も必要ない→コスパ最高。という図式な訳ですが、まあ普通じゃないかもしれません。どこまで許容できるのか。ご家族に皮膚の荒れている方が多い場合、どういう生活をするのか日々の生活を見直してみるとよいかもしれません。
もちろんアトピー性皮膚炎等きちんとした治療が必要な方は、刺激物を使わないだけでは改善しないことも多く、それほど単純な図式では説明できませんので、しっかり皮膚科でご相談ください。
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