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2020年4月27日 (月)

感染症専門家の皮膚はみな強靱なのか

 今の世の中で、「手洗いには注意を」などと言ったら犯罪者扱いされそうです。しかし現実問題として、石鹸で何回もしっかり手を洗うことで手の皮膚が非常に荒れてしまっている方が皮膚科に多数来院されています。手が荒れているということは、バリアが失われているということです。また荒れた皮膚には様々な物が付着して残留しやすいかもしれません。

 手洗いを徹底しようという話を聞くと、研修医の時を思い出します。泡の立つ消毒薬を使って爪の間から指間から徹底的にブラシで洗わされました。洗う前後で手から手指までを培地に付けて細菌培養され、細菌が繁殖していたら洗い方がダメだと言って注意されたものです。

 今では手術前の手洗いは、消毒薬を付けてブラシで徹底的に洗ってもあまり意味は無いという結論になっているものと思います。もちろんそれは細菌の場合であり、ウイルスに対してどうなのかとは話が違うのかもしれませんが。

 手がボロボロになるまで石鹸で徹底的に洗うのはよくないのではないかと思います。皮膚がそれほど強くない方は、石鹸は使わず水道水だけでよく流すことでもよいと思います。ウイルスが正常な手指や手の皮膚から侵入する訳ではないので、手指や手のウイルスを全滅することを目標にするのではなく、流水で手のウイルス濃度を減らす程度と考えて、手指を口や鼻や目に触れないようにする、使い捨ての手袋を使用したりするなど、他の面で感染リスクを減らすとよいのではないかと思います。

 何事も正解は一つだけではありません。自分の手にどんな方法が合っているのか。よく考えてみる必要があるかもしれません。もし手が荒れてしまっていてどうすればよいのか分からなければ、最終的には皮膚科で相談が必要かもしれません。

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