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2020年9月10日 (木)

肝胆膵疾患による腰背部痛

 腰や背中の痛みについて、大雑把には背部痛、腰背部痛、腰痛、腰殿部痛などと分けて考えています。この中で、今日のテーマである肝胆膵疾患と関連するのは腰背部痛であることが多いです。腰背部痛というのは、だいたい下位肋骨の背中側からそのやや下が痛いことを指すことが多いように思います。神経支配の分布から、原因となっている病気がある部位より下の方に痛みを自覚することが多いので、腰背部痛の原因となる疾患は整形外科的には胸腰椎移行部付近を考えることが多いです。

 腰椎の変性疾患やヘルニア、すべり症などは下位腰椎に生じることが多く、上の方に疼痛を感じることはないのが原則なので、腰背部痛を生じるようですと、普通の腰痛とは別の疾患を考える必要があります。高齢者ですと胸腰椎移行部は一番圧迫骨折しやすい所ですのではっきりした原因がなくても骨粗鬆症があると骨折していることも少なくありません。

 腰背部痛の場合、整形外科的疾患以外の原因についても考えないといけません。例えば大動脈解離などで腰背部痛を生じることもあります。典型的には急に激痛を生じ救急搬送されることが多いですが、軽症の場合、画像的に診断されても血圧管理などで治まることもあります。

 最近、私見かもしれませんが明らかに増えているように感じるのは肝胆膵疾患による腰背部痛です。胆石や胆のう炎、膵炎などのこともありますが、特に膵臓癌や胆管癌など、早期には何も症状を出さない癌の場合、腰背部痛が初発症状のことがあります。この場合痛みは軽度のことも多く、最初から精査をしないといけない印象は受け難いです。なので最初は鎮痛剤や湿布で経過をみることになる場合が多いのが実情です。ただ、疾患としては腰背部痛を生じているのはすでに早期ではないので、その後疼痛が増悪したり黄疸を生じたりして精査となる場合もあります。なので腰背部痛では、疼痛が続く場合や繰り返す場合は再度同じ医療機関を受診していただけますと幸いです。他の医療機関を受診すると、その先生も初めて診察するので精査をする前に少し様子を見ようということになるかもしれません。マッサージを受けていたけれど痛みが続くので整形外科を受診される方もいますが、この場合は経過が長くなっているので最初から精査をした方がよいかもしれません。

 腰背部痛から肝胆膵疾患を疑う要素としては、食欲不振や体重減少が多いように思います。なんとなく食欲が沸かないとか、最近23kg体重が減ったという事を聞くと、すぐに精査した方がよいと思います。

 上にも書いたように、肝胆膵疾患で腰背部痛を生じた段階ですでに早期ではないことが多く、時間的にそれほど猶予がある訳ではありません。普通の腰痛よりやや上が痛い場合、他に気になることがあれば最初から躊躇なく話していただけますと幸いです。

 そもそも健診も、毎年生活習慣病のチェックばかりし続けるのはそろそろ考え直した方がよいのではないかと思います。糖尿病の方は、時々膵臓も評価されているか、肝機能障害のある方は時々エコー検査などしているかどうか。それでも膵臓癌などは早期発見は難しいかもしれませんが。

 あまり心配しすぎてもいけませんが、早期診断が難しい領域です。腰痛にしては少し上の方の痛みが続くなと思ったらあまり我慢しない方がよいかもしれません。

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