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2021年2月15日 (月)

新型コロナウイルスワクチンの個人的現状把握

 COVID19ワクチンはこのまま行くと今まで以上に国が大混乱に陥るような気がします。政府もメディアもまるで波動砲のような最終兵器的に期待を寄せていますが、そうとはいかない可能性もあります。末端の現場からの個人的な現状の見え方を少し書いてみたいと思います。

 現在までのところ、今回のワクチンには重症化や死亡を抑制する効果があり、重篤な副反応は少なそうだということが分かっているという段階です。総合的にはワクチンを行って死亡率を下げるメリットが有害事象の起こるデメリットより圧倒的に優位という情報です。なので合理的な国々では広く接種していくことで新型コロナウイルス感染症による諸問題を改善していくことができそうです。ただ、日本は様々な面でやや特殊な国なので諸外国と同じようにワクチン接種が進むかどうか微妙だと思います。

  このワクチンは何のためにするのでしょうか?ワクチンは基本的には、多くの人が亡くなる感染症に対して、死亡者を減らすために行うというのが主な目的です。なので、冷酷かもしれませんが「感染症による死者が大幅に減るのであればワクチン自体で少数死亡しても社会全体としては受容する。」という基本的なスタンスが必要です。もちろんこのワクチンが原因で亡くなる方はほぼいないか、または非常に少ないと思いますが、ゼロではないかもしれません。ワクチンによって重篤な症状が出た方や死亡者、その家族には十分な補償が必要ですが。日本人に、特に日本のメディアにそういう科学的というか統計的な思考が受け入れられるのかどうか。例えばウイルスでの死亡率が2%であったとして、ワクチンによって全体の死亡率が0.02%になれば成功な訳ですが、その0.02%の中にワクチンによる死亡が含まれていても社会として許容しないとワクチン事業はできないでしょう。

 メディアで「こういうケースがあった、ああいう問題があった」と、個々の症例を取り上げて大問題化することが続いている限り、合理的な運営はできないということを日本は理解できていないように思います。

 COVID19のワクチンはそれなりの副反応が予想されています。専門家の方々はアナフィラキシーショックなどの重篤な副反応は少ないので心配ないと言いますが、日本では諸外国とは全く状況が異なります。諸外国ではほぼ滞りなくできている子宮頚癌ワクチンが、副反応の問題でほとんど頓挫している日本で、重篤ではないけれど多くの方に副反応を生じるワクチンを混乱無く行うことができるのか。現在の日本社会の状態では本当に絶望的のような気がします。

 例えば、38℃以上の熱発は少なくても10%以上起こりそうです。熱発や倦怠感、局所の痛みや腫れ程度であれば医師としてはそのまま働けるかなと思います。専門家の方があまり問題視しないのも、仕事感覚がそういう医師特有のものだからだろうと思いますが、一般の方が38℃以上の発熱があり倦怠感や頭痛がしても、軽い副反応だからそのまま働こうと思われるでしょうか?

 例えばファイザー社のワクチンは2回で1セットなのですが、2回目の方が副反応が多く、倦怠感や頭痛は半分程度の方には生じそうです。筋肉痛や関節痛も数割の方には起こりそうです。副反応のために医療機関受診を要する方も数%は存在しそうです。これらの副反応も、一般の方々にとって軽い副反応と思える内容なのか。子宮頚癌ワクチンでは寝たきりのようになってしまう方もいましたが、副反応の強さは恐らく子宮頚癌ワクチンと比べると強いでしょう。COVID19罹患後の倦怠感も後遺症と言われて問題になっていますが、そもそも後遺症とは何かということから理解していない社会には受け入れられない事態が多発するのではないかと心配になります。

 今回のワクチンは生体での免疫反応を起こさせることが目的なので、発熱や局所の腫れはある意味よいこととも言えるのですが(免疫力のある若年層の方が免疫力の低下した高齢者より副反応は強そうです)、一般の方は接種後23日は仕事や学校を休めるように配慮した方がよいかもしれません。要するに今回のワクチンでは、接種後短期間の発熱や頭痛、倦怠感、局所の腫れや節々の痛みは問題視しないというコンセンサスが必要ですが大丈夫でしょうか。倦怠感とか頭痛を問題にならない軽い副反応とは思えず、38℃以上の発熱程度であれば日常生活に大きな支障は無いと思えない方はとりあえず急いでワクチン接種をしない方がよいと思います。

 新型コロナウイルスで重症化したり死亡したりする確率が非常に低い若年層では、ワクチンのメリットと副反応のデメリットの天秤で後者が下がるかもしれません。そうすると若年層では全体の流行を抑えるためと高齢者の重症化や死亡率を減らすためにデメリット覚悟でボランティア的にワクチン接種を受けるという意味合いになるかもしれません。なので若者の場合は、副反応をきちんと理解し、長期的にどういうことが起きるのかは専門家もまだ正確には分かっていないことも納得し、自らの重症化や死亡率の軽減というメリットは無くはないが軽微であることもきちんと把握している方で希望する場合は接種するとよいと思います。

 現在、まだ医師会ではドライブスルー式のPCR検査を運営し、そこへ日替わりで医師が出動しています。ワクチンが始まると、集団接種会場へも医師が交代で出動することになります。もし、東京オリンピックが有観客で開催されると、会場や周辺道路上の医務室へも医師や看護師が交代で出動することになります。もちろん医師も看護師も医療機関を休んで出動する訳ですが、そんなに人員が集まるのでしょうか。イギリスでは素人を少し研修してワクチンを注射させているようですが…。ワクチンを優先するなら、他の二つは医療関係者抜きで行うしかないのでは…。

 今回のワクチンは、普段薬の使用が心配な人や、副作用が心配な人もしばらく見合わせた方が無難だと思います。今回のワクチンは非常に多人数に行う必要があるため、極力流れ作業的に接種していく必要があります。どうしてもインフォームド・コンセントや説明、個々人への対応が手薄にならざるを得ないものと思います。アメリカではドライブスルーで車に乗ったまま注射されていましたが、副反応が起きやすい15分後にはもうハイウェイ上かもしれません。どういう説明をされているのでしょうね。重症化や死亡率の高い高齢の方々から接種が始まる訳ですが、高齢な方々にどこまで理解していただけるのかどうか。理解が浅い中でワクチン接種をして副反応などを生じた場合、個々の医師や医療機関を責められるとなるとこれだけ大規模な接種事業は頓挫します。

 最後に。政府は日本人の総数よりかなり多くのワクチンを確保した様に報道されていますが、実は大量に余ってしまわないか心配になります。もし大量に余ってしまったら、手に入らない諸外国から非難囂々になるでしょう。まずは優先接種される医療関係者、高齢者でどれくらいの割合で接種されるのか、日本人での副反応の確率、それに対する人々の反応。メディアがどう伝えるのか。冷静に客観的に科学的に遂行されるのか。煽動的に主観的に感情的に報道され混乱を来すのか。もし日本での接種が思うように進まないと、政府は旅行に行ったりイベントに参加するのにワクチン接種証明書が必要などインセンティブを付けるようになるかもしれません。そうすると、見合わせていた方々が早くワクチン接種してくれと騒ぎ出すかもしれません。

 積極的に接種するのか、様子を見る方が多いのか、まだいろいろ読めないところがありますね。

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