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2021年3月21日 (日)

「むちうち」について

 これはかなり重い話題なので、書くべきかどうか迷いましたが、一度書いておきたいと思います。   

 交通事故による、骨折や明かな損傷所見のない所謂「むちうち」の症状は、多くの場合外傷としては非典型的です。我々整形外科医は毎日多くの外傷患者さんを診察していますが、交通事故の方の症状や所見、経過はその他の外傷患者さんとは全く異なります。

 「むちうち」では、裁判になることが少なくありません。例えどんなに軽微な事故でも症状が残り裁判になることがあります。なので担当する医師としては、初診時に例え症状がなくても裁判になるかもしれないという心持ちで診療を行います。担当する医師は、常に被害者である患者さんと、加害者側の保険会社や弁護士との間で板挟みになっているということはご理解いただけますと幸いです。

 難しい点のひとつは、事故による症状や障害は事故のひどさとは相関しないという点です。後ろの車がほとんどブレーキをかけずに突っ込んだ追突事故でも、止まりそうな車が止まりきれずに後方のバンパーにかすり傷がわずかに付いた追突事故でも、骨折や脊髄損傷などの大きな損傷を伴わない所謂「むちうち」のみの方の経過はどちらが良いかは一概には言えません。医師は現場検証している訳ではないのでどれほどの事故だったのかは想像しかできませんが、事故の規模と症状の経過は全く関係しないのは難しいところです。

 また、交通事故の治療は加害者もいて、保険会社の介在で費用がやりとりされたりするため、検査や治療について交渉になったりします。実際医師が裁判に参加することはあまりないと思いますが、昔、向学のため診察した医師として裁判に参加したことがあります。実際参加してみていろいろ勉強になりましたが、あまりよい気持ちもしないものです。なるべく裁判にならないように配慮したいところですがこれも経過により避けがたい場合も少なくありません。

 もうひとつは、症状が続いていても補償の範囲内で後遺症診断をして事故に対する保険での治療を終了しないといけない場合も少なくないという点です。多くの患者さんが症状が取れるまで治療を受けたいということで裁判になったりしますが、永続的に治療を受けられるということは難しいです。症状も経過が長くなると均衡状態のようになることも少なくありません。また、後遺障害の診断は明かな他覚所見(麻痺とか可動域制限等)があると等級が上がるのですが、疼痛やしびれのみでは障害としてなかなか認定されにくいのが現実です。そこで問題になることが多いです。

 医師の立場からは、受傷後初めて受診した時かその後早期のうちに、症状が取れそうかどうかはだいたい分かるものです。科学的ではないと思いますが、症状が長期経過で取れない方の特徴として、様々ある特徴の中でひとつは「初期症状が軽い」ということがあります。初診時に、「大したことはないから薬はいらない。」という様な場合の方が圧倒的に後遺障害で裁判になったりします。むしろ骨折等で手術が必要になったりした方の方が、「むちうち」の症状で裁判になるケースは少ないように思います。なので、最初に症状がないか症状が軽い方でも、症状が残存した場合に対応できるように考慮しておく必要があります。これは加害者の側から考えると、事故現場で被害者の車の損傷はごくわずかで、被害者の方も現場では痛みもないか軽いから大丈夫ですよ。と言っていたのに、半年後や数年後に後遺障害の件で裁判を起こされるということがあり得るということです。

 被害に遭われた患者さん側からすると、受傷後あまり経過が長くならない時期から炎症を抑えたり神経を緩和する薬を使ってみたりMRICTで精査したり、きちんとしたリハビリをしたり、場合によりブロック注射などしたり、いろいろ行ってみたけれど治ってこない場合と、薬は飲めない(続かない)、湿布のみ希望、検査はしない、マッサージだけしていましたが治りませんという場合だと、裁判になったり後遺症診断になったりした場合明らかに後者が不利だと思います。なので、様々な方面での治療や精密検査をお勧めしたりは早い段階で試みます。

 長期にわたる疼痛が、外傷によるものか、CRPS(複合性局所疼痛症候群)やPTSD(心的外傷後ストレス障害)など続発性の症状なのかも問題になることがあります。その他にも線維筋痛症や脳脊髄液減少症なども報道されていますが、この領域は整形外科医には判断が難しい場合も多いのが現実です。続発性疾患の症状の場合、心理面の評価や神経障害性疼痛治療薬等の効果も診断のために必要になることがあります。また、薬やブロック注射など外傷による疼痛の治療は全く効かず、心理行動療法などでのアプローチの方が症状が緩和することもあります。外傷に直接由来する症状ではない病態の場合、一般の診療所で粘るより、専門の医療機関へ紹介した方がよいのではないかと思うこともあります。

 また、もともと変形性関節症や変形性脊椎症、脊柱管狭窄症等があり、その部位からの疼痛が事故で誘発されたり増悪したりすることもあります。この場合、人工関節置換術や脊椎の除圧術等、もとからの疾患に対する根治的な治療をしないと痛みが取れないこともあります。ただ、その手術などは事故での治療費ではできませんので、事故に対しては後遺症診断書を記載して事故に対する治療を終了してその時点での補償を受けて、以後は保険を切り替える必要がある場合もあります。

 事故後、医療機関での治療は希望されず接骨院に通う方も少なくありません。それで症状が治まるならそれでもいいのではないかと思います。ただ、接骨院に通っていたけれどよくならないから医療機関で検査や治療をしたいということになっても、裁判になったり後遺症診断が必要になったりした時にトラブルになる可能性が高いので後から医療機関が再度介入するのは無理があると思います。なので医療機関で検査や治療をするのか、民間療法に通うのかは、ご自身の希望で選択されるしかありません。よく検討して決めていただければ、どちらを選択しても構わないと思います。併診するということは当院では行っておりませんので、ご了承の程よろしくお願いいたします。

 むちうちは、正直西洋医学のみでは対応困難な状態だと思います。それぞれの患者さんが納得できるようにしていくには、様々な方向からのアプローチが必要なのだろうと思います。

2021年3月 9日 (火)

皮膚癌でしょうか。

皮膚科には体に急にできた皮疹(たいてい黒いもの)が心配で来院される方が大勢いらっしゃいます。

心配なのは皮膚癌か皮膚癌でないか ということです。

いろいろな場所(陰部などにも)にできるので来ることを躊躇される方もいますが・・

皮膚の腫瘍は皮膚にできるのですから、外から見える部位は頭でも陰部でも関係なしにできます。

さっさと来院しましょう。なぜなら、ほとんどが良性のことが多いです。悩みはあっという間に解決します。

インターネットをみても逆に不安になることが多いようです。インターネットの情報は玉石混交です。

もし悪いものならさっさと来院しないと面倒なことになることがあります。

見た目で良性ならそれで終わり。迷う場合はダーモスコピーで確認します。

見た目に悪性なら即紹介状(大学病院への)です。

数か月で大きくなってきているものは早めに来院されたほうがいいでしょう。数年ほとんど変わらないものは良性なことが多いです。

でも素人目では困難なことも多いようです。来れば解決するのですから、時間を作って来院してください。

2021年3月 3日 (水)

ピアスをあける方が多い季節になってきました。

卒業シーズンですね。この時期はピアスをあけに来る方がそれなりにいらっしゃいます。暑い季節の前でちょうどいい時期だと思います。

ピアスはピアッサーなどで自分でも開けられるのですが、自分でやるのが怖い方が来院されるようです。

自分でピアッサーで開ける時に注意してほしいことがあります。

自分の耳が福耳の方。軸が長いものを選ばないと炎症がおきやすいです。もし市販でなければ皮膚科を受診した方が無難かもしれません。

もう一つ、かぶれにくい素材であるかを確認してください。チタンかプラスチックのものをえらびましょう。

また、もし市販のピアッサーで、消毒を推進していても、消毒はやめた方がいいと思います。傷の治りが悪くなったり、かぶれたりします。

普通に頭や顔を洗う時にシャワーで洗うのみで十分です。

ファーストピアスは6週間以上はつけていただき、穴がしっかりするまで外さないようにしてください。

穴がしっかりした後、新しいピアスをつけなおす場合もできればしばらくチタン軸かプラスチック軸などにしておいた方がいいと思います。ピアスが慣れておらず、穴を傷つけることあります。このとき、メッキ類のものが傷に触れていると、金属アレルギーを発症する可能性が高くなります。

心配なようなら皮膚科でピアスを開ける方がいいかもしれません。未成年の場合は親の承諾が必要です。ピアスをあける旨を承諾するサインと押印を持参してください。(未成年のみで来院する場合)詳細はホームページの皮膚科のページを確認してください。

 

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