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2022年4月17日 (日)

災害時警戒レベル情報とコロナ

 台風や線状降雨帯による災害時に出される防災気象情報での災害レベルというものが整理され警戒レベル5に指定されると「直ちに命を守る行動をしてください。」という報道が流れるようになりました。

 以前のレベル分けに比べると分かりやすく整理され、行動を起こしやすくなったように思います。

ただ、実際の運用として警戒レベル5がどの程度適応されるのかといったことには注意が必要なのだろうと思います。あまり強くない台風などでも警戒レベル5が出されるようだと一般市民は慣れてしまって気が緩んでしまうかもしれません。例えば、雨の予報が出ると全て警戒レベル5が出されて、「今回の雨では一応警戒レベル5が発令されていますが小雨程度なので河原でキャンプしても大丈夫でしょう。」などという天気予報がされていたら、一般市民の間に緊迫感はなくなってしまうことでしょう。

 さて、新型コロナウイルスは今どうなっているのでしょうか。今でもまだ2類感染症指定は継続しています。つまり、「致死性の高いウイルスと同等なので絶対に蔓延させてはいけない感染症です。」という指定が続いている訳です。その一方で行動制限は緩和され、街には人々が戻ってきている印象です。対応する医療関係者には非常に危険なウイルスであるから最大限の警戒をして慎重に対応するよう指示している一方、一般市民にはそれほど危険なウイルスではなさそうなのでだんだん通常の生活に戻りましょう。という対応を国はしています。

 災害対策としてはもっともしてはいけない対応をしているのではないでしょうか。対応する医療関係者の緊張感も弛み、一般市民としてもどこまで感染対策をして過ごせばよいのか分からなくなるような対策になっています。医療機関としては、みんなが河原でキャンプしている傍らで土嚢を積み続けているような感覚になることがあります。もちろん2類感染症流行下で職員との食事会などできる訳がありません。

 発熱者や軽い感冒様症状の方にはコロナの検査をしないで感冒薬などを処方するだけにしている医療機関がだんだん増えており、そういう方が検査希望で当院へ後から受診したりしています。一方で重症になり入院する方は非常に少なくなっています。やはり感染力は強いので家庭内感染は防ぐことは難しく、高熱などを生じる確率は高く、インフルエンザと違って通年性で流行しているのでやっかいなウイルスであることは事実かと思いますが。

 コロナに対してどういう感染症レベルにするのか。発症前後の初療医療機関では感覚としては2類でもなく5類でもないように思います。本当に最後まで「こういう感染症だからこういう感染対策下でこういう活動をしましょう」というきちんとレベルの合った対応は行わないのでしょうか。

 世界的には規制を撤廃する方向に着実に進んでいる国が増えています。日本はこのまま何となくあやふやに緩和していき諸外国が大丈夫になったから日本も規制を撤廃しましょうという諸外国頼りの方策を取るようにしか思えません。自国ながら自力で決めていけないふがいなさに涙が出ますね。

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