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2022年6月23日 (木)

官房長官とマスク

 6月も後半になり蒸し暑くなってきました。熱中症の危険性が高まる中、子供の登下校ではマスクを外すよう文科省や小児科医会等が通知を出し呼びかけていますが、まだほとんどの子供が登下校時にマスクをしている状況が続いています。

 そもそも5月の連休後、屋外ではマスク不要と官房長官が発表しました。なんで厚生労働大臣でもコロナ担当でもなく官房長官が発表したのだろうかと疑問に思ったものです。そこには政府の浅い思惑が透けて見えて辟易とします。

 官房長官がマスク不要と言っても、ほとんどの人はどの程度それに従って良いのか分からないでしょう。つまり「実効性はないけれど発表はした」というバランスが必要だったのでしょう。もし実効性を伴って多くの方がマスクを外し感染が再拡大したら批判が起こるでしょう。多くの方がそのままマスクを続け、熱中症が多発したとしても「言うことは言った」という事実があれば批判をかわせるでしょう。なので「実効性はなく発表はした」という案配がちょうど良かったのだと思います。

 そもそもコロナウイルスがまだ致死率の高い新型インフルエンザ等と同じ2類感染症の扱いになっている中で、ある程度の流行は許容するという発想からして理解しがたいものがありますが、飲食店の店内で多くの方々がマスクをせずに談笑しているのにお店から出るとマスクを付けて歩くという景色は、チャップリンの映画を観ているようです。

 7月の選挙が終わるまでは政府はキチンとした対応はしないことでしょう。メディアも子供のマスクを外すことを強力に促すような報道はできないのではないでしょうか。今週末は30℃を越えるようになるようです。7月上旬も厳しい暑さになるかもしれません。子供も大人も健康のためにマスクをした方がよいのかしない方がよいのか。もうこの国では政府にもメディアにも頼らずに判断していくしかないのかもしれません。マスクをした人が行き交う中で自分からマスクを外すことは多少勇気がいるかもしれませんが、この国では誰かが外していかないといつまでも変わらないかもしれません。そもそも道を歩く大人がマスクをしているのに、それを見ている子供に先にマスクを外す勇気が出るのでしょうか。

 外出中、人との距離2mなどと言わずもうマスクは外して歩いてはどうでしょうか。

2022年6月16日 (木)

痛覚の老化?

 人間年を取ると老眼になったり聞こえが悪くなったりしていきますが、感覚神経も鈍くなっていく場合があるようです。

 足首や足の指などを骨折しても、痛みをほとんど感じない中高年の方は少なくありません。子供だったら怪我をした足を床に付けずにケンケンして診察室に入ってくるような骨折でも、中高年の方は普通に歩いて診察室に入ってくることも多いです。

 「足が腫れている。」とか「足が青くなっている。」というのが主訴で、「歩いても大丈夫だから骨は折れていないよね先生。」と言われます。骨折部位を押すと少し痛いことが多いですが激痛でもなく、痛覚が鈍麻しているとしか考えられないなと思います。そういう場合、レントゲンで骨折していることを示してもギプス固定などは嫌がる方が多いです。痛くないからそこまでしたくないとか、ギプスをすると靴が履けないとか。

 医師としては骨癒合までとはいかなくてもズレてきたり遷延化するのを防ぐために初期固定はしたいところですが、固定に不満の強い方にギプスや副木を作っても家に帰ったらすぐに外してしまうのだろうなと思うと作ること自体どうなのだろうかと思います。そういう場合はサポーターやテーピング程度で軽くなるべく固定して経過観察する場合もあります。

 骨折しているけれどギプスなどはせずに経過観察となった場合、やはり離開してきたり骨癒合が遷延したりすることもあります。離開が大きい場合などは手術的な固定を考慮する必要があります。骨折した部位というのは数ヶ月腫れぼったいことも少なくありませんが、痛覚の鈍麻している方は「腫れが引かない。」ということで再診されたりします。まあ固定していないのだし医師としては骨癒合が遅れたとしても最終的に支障がないのであれば大きな問題はないかと思います。もし骨癒合しない偽関節という状態となった場合、手術的な固定が必要になることもありますが、手術後も固定や松葉杖による免荷ができないと手術後の経過も心配になります。

 感覚神経が普通の方より鈍くなっている方のその後がどうなのか、最近少し気になります。神経系統は全身をコントロールするのに重要なシステムであるはずで、神経系が鈍麻していく速度が速い方が長寿を全うできるのだろうかと。

 人の痛覚というのは本当に様々で、痛みを過敏に感じすぎても支障が大きいですし痛みを感じにくいこともまた問題になります。同じ骨折でも人の感じ方により治療もアレンジが必要です。

2022年6月 9日 (木)

内出血

 内出血(皮下出血)を心配されて整形外科を受診される方は少なくありません。内出血の見方を少し書いてみたいと思います。

 皮下出血すると皮膚が青くなってだんだん広がり、黄色くなって消退していくという経過をとると思います。皮下で出血しているということはどこかで血管が破れたということです。どこでどう破れたかを考えると対応が分かりやすいかもしれません。

 おでこや下腿の前面をぶつけたような場合、皮下脂肪付近の静脈が破れて皮下出血を起こすものと思います。ぶつけた後最初ぷくっと皮膚が盛り上がり、その後青くなってくるような経過が多いかと思います。ぶつけた時に静脈が破れ、ぷくっとなった時点でもうその下には血が貯留しているのでそれが拡散していくと青くなります。ぷくっとなってしまったらもう血の貯留を減らすことはできませんが、ある程度圧迫を続けて出血の拡大を防ぎ、あとは基本経過を見るしかないかと思います。貯留した血は皮下で固まり血腫という塊を形成します。これが吸収され完全になくなるのにはかなり時間がかかります。特に下腿ではなかなかなくならないかもしれませんが赤く化膿してきたりしなければあまり心配はありません。おでこの皮下血腫も特に吸引したり切除したりすることは無いので吸収されるのを待つしかありません。最初に圧迫したりアイシングしてなるべく拡大しないようにする程度です。高齢な方などでは一応12ヶ月慢性硬膜下血腫などには気をつけておくとよいですが。

 骨は血の豊富な組織なので骨折するとけっこう出血します。手指や足指、手足などを捻ったりした時皮下出血が広がってきたらどこか骨折しているかもしれません。骨からの出血かどうかは、動かせるかどうか、動かすと痛いかどうかなどが手がかりになります。手指や手足の骨折ではある程度パターンがあるので皮下出血の広がり具合でかなり推定できます。「足指や足に広範囲に皮下出血しているけれど歩けるから骨は大丈夫だよね。」という高齢な方がよくいますが、中高年以降くらいの年齢になると末梢神経が鈍麻しているのか骨折していてもほとんど痛みを感じずに普通に歩いて来院される方は少なくありません。バスケ等をしていてボールが指に当たり、PIP(2)関節の手のひら側に皮下出血していたら中節骨基部が剥離骨折している可能性が高いです。 爪の根元が青くなっていたら末節骨の基部背側が骨折しているかもしれません(子供では末節骨の骨端線損傷も)。

 肉離れでは損傷した筋肉から出血する訳ですが、大腿や下腿の肉離れを起こした場合筋肉は筋膜という強固な組織で覆われているため最初は皮下出血が見られないことが多いです。翌日~数日後に損傷部位より足側の離れた所に皮下出血を生じてきて心配になり来院される方もいます。踵付近が青くなってきたということで足の怪我を心配されていることもあります。皮下出血は重力により下方に流れていきますので、青くなっている部分より上流を検索していくように診察します。肉離れで損傷部位に大きな血の塊ができていますと数ヶ月以上完全には吸収されませんが、皮下出血はそれほど長くは続かないものです。

 関節内で出血した場合も最初は皮下出血は現れないことがあります。転倒して手をついてからしばらくして前腕遠位などが青くなってきたり黄色くなってきて心配ということで来院される方が時にいます。この場合も青くなっている部位が損傷している訳ではないことがよくあります。診察して肘の動きが少し制限されていたりすると、肘関節内で損傷している場合があります。関節内での損傷では最初関節内血腫を生じます。関節も関節包という強固な組織で包まれているので、関節包が破れていなければ最初は皮下まで血が流れません。受傷時の疼痛がそれほどでもない場合、橈骨の近位端でわずかに骨折していたりする場合があります。早期診断する場合はCTMRIで確認したりしますが、ズレそうにもなく手術適応もない場合は初期固定して経過を診ることも少なくありません。

 皮膚が青く染まると不安になるかと思いますが、内出血自体は特に治療対象にはならないので内出血のみであれば受診する必要のない場合が多いです。内出血の部位ではなく、どこかに痛みや動きの制限などがあるかどうかを観察するとよいかもしれません。

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