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2022年6月 9日 (木)

内出血

 内出血(皮下出血)を心配されて整形外科を受診される方は少なくありません。内出血の見方を少し書いてみたいと思います。

 皮下出血すると皮膚が青くなってだんだん広がり、黄色くなって消退していくという経過をとると思います。皮下で出血しているということはどこかで血管が破れたということです。どこでどう破れたかを考えると対応が分かりやすいかもしれません。

 おでこや下腿の前面をぶつけたような場合、皮下脂肪付近の静脈が破れて皮下出血を起こすものと思います。ぶつけた後最初ぷくっと皮膚が盛り上がり、その後青くなってくるような経過が多いかと思います。ぶつけた時に静脈が破れ、ぷくっとなった時点でもうその下には血が貯留しているのでそれが拡散していくと青くなります。ぷくっとなってしまったらもう血の貯留を減らすことはできませんが、ある程度圧迫を続けて出血の拡大を防ぎ、あとは基本経過を見るしかないかと思います。貯留した血は皮下で固まり血腫という塊を形成します。これが吸収され完全になくなるのにはかなり時間がかかります。特に下腿ではなかなかなくならないかもしれませんが赤く化膿してきたりしなければあまり心配はありません。おでこの皮下血腫も特に吸引したり切除したりすることは無いので吸収されるのを待つしかありません。最初に圧迫したりアイシングしてなるべく拡大しないようにする程度です。高齢な方などでは一応12ヶ月慢性硬膜下血腫などには気をつけておくとよいですが。

 骨は血の豊富な組織なので骨折するとけっこう出血します。手指や足指、手足などを捻ったりした時皮下出血が広がってきたらどこか骨折しているかもしれません。骨からの出血かどうかは、動かせるかどうか、動かすと痛いかどうかなどが手がかりになります。手指や手足の骨折ではある程度パターンがあるので皮下出血の広がり具合でかなり推定できます。「足指や足に広範囲に皮下出血しているけれど歩けるから骨は大丈夫だよね。」という高齢な方がよくいますが、中高年以降くらいの年齢になると末梢神経が鈍麻しているのか骨折していてもほとんど痛みを感じずに普通に歩いて来院される方は少なくありません。バスケ等をしていてボールが指に当たり、PIP(2)関節の手のひら側に皮下出血していたら中節骨基部が剥離骨折している可能性が高いです。 爪の根元が青くなっていたら末節骨の基部背側が骨折しているかもしれません(子供では末節骨の骨端線損傷も)。

 肉離れでは損傷した筋肉から出血する訳ですが、大腿や下腿の肉離れを起こした場合筋肉は筋膜という強固な組織で覆われているため最初は皮下出血が見られないことが多いです。翌日~数日後に損傷部位より足側の離れた所に皮下出血を生じてきて心配になり来院される方もいます。踵付近が青くなってきたということで足の怪我を心配されていることもあります。皮下出血は重力により下方に流れていきますので、青くなっている部分より上流を検索していくように診察します。肉離れで損傷部位に大きな血の塊ができていますと数ヶ月以上完全には吸収されませんが、皮下出血はそれほど長くは続かないものです。

 関節内で出血した場合も最初は皮下出血は現れないことがあります。転倒して手をついてからしばらくして前腕遠位などが青くなってきたり黄色くなってきて心配ということで来院される方が時にいます。この場合も青くなっている部位が損傷している訳ではないことがよくあります。診察して肘の動きが少し制限されていたりすると、肘関節内で損傷している場合があります。関節内での損傷では最初関節内血腫を生じます。関節も関節包という強固な組織で包まれているので、関節包が破れていなければ最初は皮下まで血が流れません。受傷時の疼痛がそれほどでもない場合、橈骨の近位端でわずかに骨折していたりする場合があります。早期診断する場合はCTMRIで確認したりしますが、ズレそうにもなく手術適応もない場合は初期固定して経過を診ることも少なくありません。

 皮膚が青く染まると不安になるかと思いますが、内出血自体は特に治療対象にはならないので内出血のみであれば受診する必要のない場合が多いです。内出血の部位ではなく、どこかに痛みや動きの制限などがあるかどうかを観察するとよいかもしれません。

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