2024年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

« 2022年6月 | トップページ | 2022年9月 »

2022年7月25日 (月)

戦況報告

 もう診療所の電話は鳴り止みません。大変申し訳ありませんが、たくさん検査や診察のお断りをしています。末端の現場はすでに破綻しています。

 大本営発表では、「敵はマシンガンを乱射しているけれど皆さん通常通り活動しましょう。」とのことです。[敵のマシンガンの間近では特に防御は必要ありませんが、街中を歩く時には鍋を被って防御しましょう。]と盛んに報道しています。

 被弾した人が押し寄せている最前線ではもう検査もしないようになっているところもあります。対症療法だけして自宅に帰しているようです。なので現在の被弾人数の発表数も氷山の一角です。

 マシンガンの弾丸が鉛玉なのか、ゴム弾程度なのか、BB弾なのか。国は判断できないようです。とりあえず鉛玉設定になっていますが、完全に防護する必要はないと主張しています。医師の間でも、鉛玉設定で動いている人も居ればゴム弾程度だと主張する人、BB弾だという人もいて対応はバラバラです。すでに末端の現場ではもうあちこちに弾丸が飛び交っていて鉛玉設定ではテント張りの野戦病院では活動していられませんが。

 政府はあくまでワクチンの接種を優先したいようです。怪我人であふれる野戦病院に元気な人を集めろと言っているようなものですが、元気な人をたくさん診療する野戦病院という風景を想像できるのでしょうか。発熱外来を行う医療機関が何故増えないのか。自らも被弾する可能性のある戦場真っ只中の野戦病院で働くのと、戦地からは離れた所でワクチンをたくさん接種するのとを比べて、野戦病院を選択する人が増えていくものでしょうか。

 市中で被弾したかもしれないと心配な人々の背中をめくって弾が当たったかどうかを調べるだけで莫大な収益を上げている人たちがいますね。それはいいのですが、被弾した人達を野戦病院に丸投げしてくるので国への登録だけでも大変な手間になっています。そもそも全例登録を人力で行うようにしている国がどれだけあるのでしょうか。

 現状末端の現場では発熱などした方々への対応、国への登録作業、ワクチン接種と三重の負荷を与えられています。本当に日本には負荷を減らす工夫が何にもできないのでしょうか。

 アセトアミノフェンやロキソプロフェンは以前からOTC化されドラッグストアで販売されていますね。症状の軽い人は医療機関へは行かないでセルフメディケーションしなさいというのが国の方針でドラッグストアも宣伝していなかったのでしょうか。これだけ末端の医療機関が軽症者で破綻している段階で、今セルフメディケーションしなくていつするのでしょうか。

 平日の仕事だけでスタッフが過労で倒れないかどうか心配するくらいなのに、国も都も休日も働いたら支援金を支給するとか宣っていますね。馬の鼻先にニンジンをぶら下げているつもりなのでしょうが、満腹の暴れ馬の前にニンジンを差し出す人のようです。やはり我々医療関係者は人間扱いされていないようです。働き方改革というのは余裕のある職種がさらにゆとりを持つための作業だけのようです。

 毎日インフラを支える職種の人々に自宅療養を指示していますが、世の中がどこまで回るのか。日本の上の方は本当にひどい有様ですね。本音と建て前ここに極まれりでしょうか。

2022年7月 4日 (月)

多数決の絶望

 人類の最も大きな弱点のひとつは「正しいことを決める方法を発明していない」ということなのではないでしょうか。多数決にしても全会一致にしても、そこで決められるのは多数の人の意見であって正しいとは限りません。

 多数決によって多数を得た方が、自分達が正しいと思って行動すると往々にしておかしな方向へことが進んでいくものです。単に多数を得たのみだと思って多数意見少数意見を全体的に検討する頭を持っていないといけないことでしょう。

 多数決によって物事を決めることには多かれ少なかれ諦めが必要ですが、多数決なりの正義を保つのであれば最低限意思決定において、選択する人々がランダムに自分の意思を決定できる仕組みが必須です。逆に言えば人々がランダムに意思を決定できない仕組みを導入すれば、多数決の結果を操作することは容易なものです。少数の人々が意思決定する場に参加できないようにするとか、集団で特定の意見へ意思決定するように誘導するとか、少数の意見へ意思表示することへのデメリットを生じるようにすれば多数の方へ集まるようになることでしょう。香港などで野党候補者が立候補できないような細工をする場合は露骨ですが、日本でもランダムな意思表示がしにくいような工夫がなされているものです。まあ皆さん分かっているとは思いますが。正しい方向へ近づこうという努力を人間がするのはほぼほぼ無理なのかなと思います。

 もうひとつ、多数決で物事を決める社会では、もちろん多数の意見が通ります。多数の人が動かす社会では従来通りを基本に物事が流れていきがちです。徐々に変革するという方法は多数意見の人が自分にダメ出しをしていかない限り成り立ちません。多数者が改革しますとか言ったところで自分を否定出来る人物などほとんどいないので変革を起こすことは難しいものです。通常は多数者の社会が限界を迎え、多数意見から離脱する人が潜在的に増えていきある時点で多数意見を上回った瞬間に瓦解するという急激な変化をすることの方が普通なのでしょう。そういう意味では、社会に変わる必要がある場合は多数者はその崖で急速に転落するまでは自分が安定した大地の上にいると錯覚しているしかないのでしょう。

 日本はこの多数決の絶望に最も鈍感な国の一つかもしれません。多数者に加わっていれば安心という意識が根強く、結局社会が変われないという状態に長く陥っているように思います。例えば少子高齢化の進む社会で多数決によりどうやって将来を切り開いていくのか。

 多数決に勝つことだけを目指しているようにしか見えない人々が競っているところを観ているとより一層疑問が沸いてきます。多数決では軌道修正できない社会を多数決で何とかしようとしている人々に何ができるのか。

2022年7月 1日 (金)

香害

自分がいい匂いだと思っている柔軟剤やフレグランスのにおいが他の人を不快にさせていることは想像したことがありますか。

 

今テレビをつけると香りがいつまでもつづくというコマーシャル(柔軟剤で多いです)であふれています。また、自分のにおい(汗?加齢臭?)が他人を不快にさせていると思わせる広告もよく目につきます。

以前から人を不安に思わせる広告を非常に不愉快に思っていました。また、化学物質なのだから害だろうなと思っていましたが、どうやら本当に害なようです。

 

香料の90%以上は合成香料です。以外と知られていないのが香料の毒性です。発がん性や環境ホルモン(内分泌かく乱)作用、アレルギーを引き起こしやすい成分がたくさんあります。

EUでは化粧品へのアレルギーを起こしやすい26成分の表示を義務付けていますが、日本ではその表示はないのです。

 

また、新しいマイクロカプセル技術ではじけるか香り(長期に香りがつづく)などといわれるものはメラミン樹脂や、シクロデキストリン(環状でんぷん様化合物)、イソシアネートを原料とするウレタン樹脂などのマイクロカプセルをつかっているようです。こういう微小なプラスチック製品が空気中を浮遊し吸入し肺まで達すると考えると、どういう毒性を長期的におこしうるのか・・と不安になります。そのプラスチックは洗濯後下水道を流れ水中に拡散しいずれはあらゆる生物、また人間の体内に入ることになるのではないでしょうか。

 

皮膚科では自分のにおいを気にして来院される方もいらっしゃいます。そういう方はやはり柔軟剤や消臭剤などを使用しているようです。かえってこのために避けられている可能性をお知らせしています。他人の発する柔軟剤のにおいで気分がわるくなり、アレルギー症状を発症し来院される方もいらっしゃいます。

 

香りがつづく柔軟剤や消臭剤は少なくとも使わない方がよさそうです。

« 2022年6月 | トップページ | 2022年9月 »