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2022年10月30日 (日)

支援する側

 旅行に行くと一人分某かの支援を受けられるそうです。円安で輸入品の価格が上昇しているためガソリン代が上がりすぎないよう支援が入っています。今年の冬は電気代やガス代が上がらないように支援するそうです。東京では外食に行くときにも支援が受けられるようになるそうです。コロナワクチンも現状無料で受けることができます。コロナ感染症も現状公費負担になっています。年間どの位の費用が掛かっていることでしょう。

 こういうニュースを聞く度に、自分はどれくらいの支援ができるだろうかと考えます。旅行に行く人であれば何人分くらいだろうか。電気代だと何世帯くらいだろうかなどと。何人分のワクチン費用を提供できているのだろうかと。

 何事かを支援する場合、支援する側とされる側ではバランスが取れていないと成り立たないように思います。経済学に興味が持てず、まったくの素人なので考え方が間違っているのかもしれませんが。現代の経済学では果てしなく国債を発行して国民も業者も果てしなく支援を受ければうまく循環するのでしょうか。もしそれが本当ならいっそのこと個人から税金を徴収することなどやめしまってはどうなのでしょうか。

 もちろん支援を必要としている方々は遠慮も躊躇もなく支援を受けていただきたいと思います。支援を受けないと困窮していることでしょうから。

 この国には今、支援する側の意識で居る人がどのくらいいるのでしょう。

 医療や介護も公的資金が相当割合入っているので一種の支援です。少子高齢化の進む世の中でどこまで支援を拡大していくことができるのでしょうか。これから高齢者は増えていき働く人も子供も減っていきます。2100年の日本に日本人がどのくらいいるのか。その子孫達はどういう財政状況の中で暮らしているのでしょうか。

 旅行や外食への支援と、生活困窮者向けの炊き出しやシェルターへの支援と、こちらもバランスが取れているのでしょうか。

 なるべく支援しようと考えると、逆に冷たくなってしまう場面もあるかもしれません。無い袖は振れないことが実感にならざるを得ないので。しっかり支援しないといけない場面のために、支援を削らないといけない場面も出てくるように思います。今の日本の社会ではこれが許されそうにありません。全ての方向で全てに支援するような雰囲気になっているようなので。それをどう調節していくかが政治の役割なのでしょうが…。

2022年10月12日 (水)

抗凝固剤を内服中の外傷

 最近は本当に多くの方が血をサラサラにする系統の薬を継続して内服されています。抗凝固剤や抗血小板薬と呼ばれる薬には、作用として脳梗塞や心筋梗塞の防止があります。その裏返しとして副作用として出血傾向があります。

 出血傾向の問題では脳出血や消化管出血などの重篤な出血の頻度はそれほど高くないと言われており、あまり心配されなくてもよいものと思います。

 整形外科的にはこれらの薬を服用中の方が転倒して打撲したり指先をスライサーで削いだ時など、通常より出血が多い、止まりにくいということが時々あります。出血傾向による問題は毎日怪我の治療をしていないと実感として分かりにくいと思いますので処方している先生にはあまり実感がないかもしれませんが、それほど稀な話ではありません。

 例えば転倒した後下肢が真っ青になって浮腫んだ状態で来院された場合、抗凝固剤を飲んでいないかどうかは確認すべきポイントです。下腿前方の皮下に大きな血腫を生じるとその上の皮膚が壊死してくる可能性があります。また、膝窩などに大きな血腫ができると静脈を圧迫して血栓を生じることもあります。また、筋肉内に大きな血腫ができると筋膜内の圧力が上昇してコンパートメント症候群という疾患を生じることもあります。

 指先をスライサーで削いだような傷の場合、やけに止血しないなと思い確認すると抗凝固剤を内服されているということがたまにあります。通常の処置をして帰宅後、ガーゼ上まで血が染みてきて血が止まらないということで再度受診されることもあり、やはり最初に確認することが重要ですので怪我をされて医療機関を受診される時にはまず初めに内服中の薬を伝えていただいた方が安心です。

 打撲や皮膚欠損創を生じた時には、一時的に休薬することも考慮が必要です。一応処方中の医師にも相談されるとよいかと思いますが、どの程度の外傷で休薬するかは微妙な問題かもしれず、明確な答えを得られないことが多いです。大きなたんこぶができたり青あざが広がってきているような場合には1~数日は休薬した方が安全かもしれません。特に転倒して頭をぶつけた場合は頭蓋内に出血していると徐々に血腫が拡大する可能性もあり、転倒後12ヶ月は注意が必要です。

 抗凝固剤や抗血小板薬にもいろいろ種類がありますが、抗凝固薬に分類される昔から使われているワーファリンや新しいDOACという系統の薬で上記のような注意が必要です。抗血小板薬にはバイアスピリンやクロピドグレルがありますが、こちらではあまり外傷時の出血傾向は生じないように思います。ただ、効果としては抗凝固剤の方が高い場合も多いものと思いますので副作用を心配して抗血小板薬に変更するということではありません。

 抗凝固薬や抗血小板薬は、最近はほぼ生涯内服を指示されることが多いと思います。90歳を超えても内服されている方が少なくありません。現代の医療は早期介入には積極的ですが、いつまで介入するかということが全くおろそかになっています。多剤内服の弊害なども考慮してどこまで使うべきかはよく検討されるとよいと思います。少なくとも頻回に転倒している方や歩行がかなり不安定になっているような方は強い薬は控えた方が安全かもしれません。

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