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2022年12月28日 (水)

偽関節リウマチ

 慢性的な関節炎を起こす病気としては関節リウマチが有名かと思います。関節リウマチは自己免疫が自分の関節を攻撃してしまい慢性的に関節炎を起こし、長期的には関節が壊れていき様々な機能障害を生じてしまう疾患です。診断としては血液検査でリウマチ反応を調べたりレントゲンで骨破壊の有無を調べたり、最近ではエコーやMRIで骨髄浮腫や関節の炎症を確認したりします。

 慢性的に関節炎を生じていたり、発作的な関節炎を繰り返したりしているものの関節リウマチの診断には至らない状態で診断と治療に難渋することが時々あります。

 乾癬や掌蹠膿疱症など皮膚疾患を伴えばそれに伴う関節炎、脊椎や仙腸関節が骨化していれば脊椎関節炎や強直性脊椎炎、他の膠原病があったり、甲状腺疾患があるとそれに伴う関節炎、などなど様々な関節炎が鑑別診断に挙がります。

 そういう慢性的な関節炎の中で、激痛を生じ救急搬送されるような関節炎を繰り返す場合があります。激痛発作を起こす関節炎というと痛風が有名かと思いますが、痛風の場合、尿酸を低下させる薬を飲み続けてきちんとコントロールしていくと発作は多くの場合起きなくなります。

 痛風に似ている発作ということで偽痛風という疾患がありますが、痛風は尿酸結晶が関節に沈着して生じるのに対して、偽痛風はカルシウム系の結晶が関節に沈着して生じます。カルシウム系のためレントゲンで白く写ります。

 偽痛風の経過には様々なタイプがあり、最も診断と治療に難渋するのが慢性的に多数の関節が炎症を起こし続けるタイプです。これはもう関節リウマチとほぼ変わらない状態ですが、関節があまり破壊されていかないことのみが幸いというところでしょうか。こういう関節炎を偽関節リウマチと呼ぶことがあります。

 偽痛風は、カルシウム系の結晶を除去したり関節に沈着するのを防ぐような根治的な薬などはなく予防が難しい疾患です。激痛発作の頻度がわずかな場合は、発作時に短期間炎症止めを内服したり関節注射したりして治療します。発作を散発的に繰り返す場合はできれば常に消炎鎮痛剤を持参しておいて痛くなってきたり腫れてきたら前兆の段階で内服されるとよいと思います。

 偽関節リウマチと呼べるような関節炎が継続するタイプの場合、NSAIDSという普通の消炎鎮痛剤も効果があることが多いのですが、切れると激痛発作で救急受診を繰り返すという方もいて長期内服せざるを得ない場合もあります。COX2中心のNSAIDSで関節炎を抑えられればそれでもよいかと思いますが胃カメラや腎機能評価を定期的に行う必要があります。NSAIDSでも抑えきれない場合や、胃潰瘍の既往があったり腎機能が低下している場合は関節リウマチの薬を使用することもあります。関節リウマチの薬などは医学的に確実に推奨されている訳ではありませんがNSAIDSの長期内服での効果や副作用とを勘案して使用することになります。

 慢性型の偽痛風は短期的には発作時通常の消炎鎮痛剤で治まるため、発作時に総合病院を受診しても偽痛風だから注射や短期内服でよいと判断され、膠原病内科へ紹介しても関節リウマチではありませんと診断され逆紹介で終診となってしまうことも多く、なかなか長期的なコントロールが難しい状態です。関節リウマチではないけれどずっと炎症を抑え続ける治療が必要な関節炎もあるということを少し知っておいていただけますと幸いです。

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