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2023年5月27日 (土)

ダイエットで骨折

 糖尿病等の生活習慣病の方は内科の先生などにダイエットのため運動を勧められると思います。それは非常によいことなのですが、整形外科の診療所にはダイエットのために運動を始めたところ骨折した、という方が時々来院されます。

 ダイエットのためにジョギングをしたら脛骨骨挫傷、筋トレしたら腰椎圧迫骨折、エアロビしたら肋骨骨折、踵落とし体操をしたら踵骨骨挫傷などなど。

 特に閉経後の女性がずっと運動していなかった状態から運動を始める前には骨粗鬆症がないかどうかを確認した方がよいのではないかと思います。ひとつ注意が必要なのは、生活習慣病の方は変形性腰椎症や脊椎の骨化、変形性関節症等を生じていることが多く、骨密度を測定しても低くない場合が少なくないことです。生活習慣病等の場合、骨密度が低くなくても骨質が低下しており骨折しやすくなっていることもあります。なので骨密度を測定して正常範囲であっても運動して骨折する方もいます。そういう場合、脆弱性骨折と言って骨密度が高値でも骨粗鬆症と診断されます。整形外科医であれば、X-Pで脊椎や四肢の骨を見れば骨粗鬆症かどうかはある程度判断できます。そうすると骨密度が高値でも骨粗鬆症の治療を開始する場合もあります。

 ダイエット前に全員骨粗鬆症かどうか調べるのかと言われると現実的ではないものと思います。そもそも、運動で痩せようというのは無理があるのではないかと思います。運動して消費カロリーを計算してがっかりした方は少なくないと思いますが、素人の運動での消費カロリーなど間食したり晩酌してしまったら摂取カロリーに勝つことは容易ではありません。現代人に節制を求めてもほとんど無理なのでしょうが。

 まずは食事や飲み物、間食などを見直し、運動としては衝撃の加わりにくいものから始めるとよいのではないかと思います。ジョギングよりウォーキング、エアロビクスよりヨガなど。踵落としの前に軽く足踏みなど。自転車漕ぎや水中歩行などもよいかもしれません。体を運動に慣らす段階を経てから強度を上げていくことをお勧めします。

 毎日圧迫骨折や脆弱性骨折の方々にお会いしていると、これから高齢化がさらに進んだ社会が本当に恐ろしい気がします。特に女性では半数以上の方が70代で骨粗鬆症になるのに、検診する機会はありません。多くの場合骨折して初めて骨粗鬆症と診断されます。検診はメジャー科のものなのでこれからも毎年コレステロールなど測定し続けるのでしょうが、時代に合っていないなと思います。

 孫を抱っこしようとしたら腰痛、縄跳びしたら腰痛、衣替えしようとしたら腰痛。40~50代の方が親を介護しようとしたら腰痛。その腰痛は圧迫骨折かもしれませんよ。脅かすつもりもありませんが。

2023年5月15日 (月)

祭事とフェス

 今週は整形外科学会とプライマリケア学会に参加してきました。学会としての様相が全く正反対で面白いですが、複雑な感情が沸いてきます。

 整形外科学会は皆スーツを着て学識団体としての格式を継承しており、叱られるかもしれませんが明治時代から続く祭事のような印象です。一方プライマリケア学会は大きな展示場をパーディションで区分けしただけの会場で、同じ空間の中で音楽が鳴り響く中ディスカッションをしていてまるでフェスのようでした。これも叱られるかもしれませんが、公立学校の教職員組合の会合を会議室で折りたたみ机を四角く置いてパイプ椅子を並べて行っているのと、IT企業で人工芝のフリースペースに集まってランチを食べたりヨガをしながらフリートークしているのと、位の違いでしょうか。

 この専門医志向とプライマリケア志向の向いている方向の違いも日本の医療の大きな問題の一つなのかもしれません。両者は様々な観点で別の方向を向いているように思います。それがうまく噛み合っていく必要があるのでしょうね。

2023年5月 7日 (日)

5月8日以降は

 58日以降、新型コロナ感染症は5類相当という分類に変更されます。これはインフルエンザと同等という評価で、感染対策は緩和されることになります。ただし、9月までは徐々に緩和するような措置が取られており、すぐに全面的に平常化する訳ではありません。

 当面、感染し発症した方は発症後5日は自宅療養が推奨されますが、気をつけて外出するのは禁止されません。ご家族は行動制限されず、濃厚接触者の検索などもされません。これまでは新型コロナウイルス感染症に関する受診や検査等は無料でしたが、今後は保険診療となるため自己負担が発生します。新型コロナウイルスの薬は無料のままですが、通常使用する必要性は低いものと思われます。

 当院では玄関を入ってすぐの体温測定は5/6までで終了しました。発熱等の方で新型コロナウイルス感染症の検査キットをされ、陽性で受診や処方を希望される方は電話でご連絡いただき隔離診察室で診察いたします。発熱等で受診され、コロナ陽性と診断された場合などは隔離室での診察や待機が必要です。この様に感染症対策で別室での診療を行った場合、感染対応の加算が生じますがご了承いただきますようよろしくお願いいたします。

 医療機関内では当面マスクが推奨されますが、ご本人が心配されていない場合マスクしなくてもよいことになります。ただ、医療機関には免疫力の低い方が多く来院されているため、当面配慮するとなるとマスク着用が妥当なのかもしれません。咳をしている方はマスク必須かなと思います。周囲の方々の理解がどこまで進むか心配ではありトラブルにならないとよいなと思います。医療機関のスタッフも、平常化していくのであれば徐々にマスクは外していくべきかと思います。医療機関のスタッフがマスクをしていなくても気にしないようにしていただければと思います。

 当面いろいろな問題が生じてくるかもしれませんが、日本は個々人の判断に任せる面が多いようなので他の人の判断を尊重してあまり目くじらを立てないようにしていただけるとよいのかなと思います。

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