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2023年6月 6日 (火)

便利な社会と運動機能

 昨今はICT技術や宅配サービスなどが急速に進歩しており、様々なことが家から出なくてもできますね。

 高齢な方々は、買い物に行かずに宅配で食材を調達するようになってきています。調理済みの料理を宅配してもらうこともコロナ禍でさらに増えたように思います。

 社会人もリモートワークが浸透し、ずっと家で仕事をしている方々が少なくない世の中になっています。

 日頃運動器疾患を診察している人間としては、社会が便利になっていくメリットと、人々の運動機能が低下していくデメリットと両面を観察している日々です。

 日々リモートワークをしていれば当然運動不足になることでしょう。当地から都心に通勤していると、行き帰りで2時間以上立っていたり歩いたりしてかなり日々の運動になっているものと思います。大きいビルの中で働いていても街の中で働いていても、総移動距離はなかなかの距離になるでしょう。リモートワーク中、毎日通勤時と同じくらいの運動量を維持できるでしょうか。

 運動機能の低下が高度になっている高齢な方が宅配をうまく使うことは自宅での生活を維持する上で重要になっているものと思います。一方、フレイルと呼ばれる運動機能低下早期の方々が宅配を使いすぎることは運動機能低下に拍車を掛けることになるでしょう。なるべく台所仕事や掃除などの家事をしたり、杖や手押し車やシニアカーのような物を使ってせめて近所のスーパーまで買い物に行くなど努力をした方が日常生活動作維持には理にかなっているようにも思います。

 早めに介護保険を申請して、ヘルパーさんに掃除をしてもらったり送迎で介護予防リハビリに行くことも、良い面と余計運動機能を低下させてしまう恐れと両面を鑑みる必要があるように思います。中には送迎で介護施設に行く以外は自分では外出しないという高齢な方も時々います。介護度が進んでいる方は仕方がないと思いますが、まだ外出できるだろうにと思う方もかなりいます。最近は町トレなど参加型のサービスもありますので、送迎ではなく自分の足で参加してみる努力も必要かもしれません。

 リモートワークや料理の宅配サービスが最先端のような雰囲気ですが、コロナ禍でも普通に出勤し、多くの方々と直接接してきた人間としてはやはりできれば出勤し、食事も足を運んで食べに行きたいなと思います。もうこれは昭和の人間の発想なのでしょうが。運動面だけではなく心理面などでも、人との直接の接触が限定された状態が続くことはどうなのだろうかと思います。

 将来には自宅からメタバースで出社して外出体験や世界中へ旅をして自宅で有名料理店のおいしい料理を食べる時代になるのかもしれません。もうメタボフレイルまっしぐらな気がしますが。 

 便利な世の中ですが、メリットを最大化するためには意識的に不便を取り入れる必要があるのかもしれません。

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