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2023年8月 1日 (火)

整形外科的人生の選択

 変形性膝関節症に対する人工関節手術等は、命に関わる疾患に対する手術とは異なり必ず受けた方がよいものではありません。痛みや日常生活動作の困難さによりご本人が手術を選択すると決めないと手術にはなりません。

 変形が強く、痛みも強い場合、手術をお勧めするのですが、絶対に手術は嫌だという方は少なくありません。そういう場合、鎮痛剤を使用したり関節注射をしたり装具をしたりリハビリをしたりして対症療法的に経過観察します。

 ひとつ理解しておいていただきたいことは、年齢が上がると心肺機能が低下したり認知機能が低下したり様々な合併症が現れたりといろいろな要因により手術を希望してもいつかはできなくなるという点です。70歳台、80歳台、と手術をお勧めして希望されない方が、90歳頃いよいよ膝が痛くて歩けないとなった時点でやっぱり手術したいということがあります。全身状態が安定していれば手術は可能かもしれませんが、もう手術はできないということになる場合も少なくありません。時には高齢でなくても、他に大病をしたりして膝の手術はできないという状態になることもあります。手術不可であれば外出はできなくなり家の中でも歩行が困難で歩行器歩行や伝い歩きで何とか過ごすという状態か、最終的には車椅子やベッド上での生活となることは受け入れざるを得ません。様々な病気を生じていても普通に歩いてトイレなどに行かれている方と、膝以外は比較的お元気なのに日常生活動作もままならない方と両者を診ていると、膝が悪くて寝たきりに近くなっている方にはもっと強力に半ば強引に人工関節を勧めればよかったかなと自責の念に駆られることもあります。

 最近の人工関節手術は術後経過も安定していることが多く、痛みは緩和し歩行能力は保たれることがほとんどです。確かに大きな合併症や経過不良となることも稀にありますが、そのリスクをどこまで心配するかはご本人の考え方によります。時に友人の術後経過が悪いから自分は受けない方がよいと言われたという方がいますが、友人の経過が悪いから本人の経過も悪いという確率は高くはありません。ただ不安感や不信感が強い方に手術をしても術後経過は思わしくない場合があり、しっかり納得して手術を受けられない限り手術は勧められません。

 変形性膝関節症が進行してきた場合、どういう人生を選択するかという大きな決断が必要になります。リスクもあることを理解した上で疼痛なく歩行能力を維持する人生を選択するか、膝痛や歩行能力の低下は受容してリスクを回避する人生を選択するか。もし手術を選択しないとして、将来歩行出来なくなった時に自宅で生活できるのかどうかなども。

 私が将来変形性膝関節症が進行して歩行が困難になりそうであれば、人工関節を選択すると思います。なるべく自立した生活を維持したいと思うので。

 膝に限らず、運動機能をどこまで維持していくか。もちろん老衰していけば運動機能は自然に低下していきます。全てを受け入れて天命に委ねるという選択もよいと思いますが、後悔しないようにはしていただきたいと思います。

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