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2023年9月 5日 (火)

橈骨近位端骨折

 手をついて転んだ時などに、手首ではなく肘を痛めることがあります。すごく腫れたり激痛を生じている場合は上腕骨骨折や肘頭骨折、脱臼等を疑いますが、ほとんど腫れていないのに動かすと痛いなどといった場合、肘の外側の痛みでは橈骨近位端骨折等を疑います。子供の場合は骨端線(成長線)があり、その部位での骨傷のことも少なくありません。因みに肘の内側の痛みが続いている場合は側副靱帯損傷などのことが多い印象です。

 橈骨近位端骨折で変位が軽い場合、安静時痛はあまりなく、ほとんど腫れないため、受傷からしばらく経ってから受診される方も少なくありません。肘が伸びない、ドアノブなどを捻ると痛い、何となく痛みが引かないというような症状で受診されます。

 通常の肘のレントゲンでは分からないこともあり、角度を変えてレントゲンを行ったり、場合によってはCTMRIで診断することもありますが、レントゲンで変位がよく分からない位であれば手術に至ることは稀なので、高額なCTMRIの必要性は低いかと思います。

 変位が大きいと手術的な固定が必要であったり、中には骨頭置換術など少し特殊な手術になることもあります。ただ、変位が大きければ最初から痛みが強く肘が動かせないことが多く、受診が遅くなることも少ないと思います。

 変位が軽くても、そのまま動かしていると早期にはズレてしまう可能性もあり診断後はシーネ(副木)などで固定します。受傷後既に数週以上経過していて、変位もわずかの場合は無理しないようにしてそのまま骨癒合を待つのでも大丈夫な場合もあります。基本骨折している場合は骨癒合まで23ヶ月は肘関節は無理しないようにするとよいです。肘関節の可動域制限等を生じている場合は機能訓練を行うこともあります。

 手をついてから前腕の痛みが続いているということで来院されてこの骨折を診断した際には、骨折とは思わなかったという方が多いです。子供の場合は、ご両親が「本当に痛いの?」と不審がることもありますが、骨折している可能性についても考慮した方がよいかもしれません。

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