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日記・コラム・つぶやき

2017年11月13日 (月)

先生、昨日寝ましたか?

 働き方改革というものが議論されていますが、医師は案の定規制の適応外となりました。メディアの論調もそれは仕方のないこととして軽く扱われていますがどうなのでしょうか。
 これを他の職種に置き換えてみましょう。例えば航空業界だとすると、「管制官や客室乗務員、整備士は過労死しないよう適切に休みましょう。ただし、パイロットは徹夜明けで乗務操縦しても現状問題ありません。」ということです。わたしは徹夜明けのパイロットが操縦する飛行機には乗りたくないと思いますが、政府やメディアの方々はその辺は特に気にしないようです。
 徹夜明けの人間の判断力は酒気帯びの人と同程度だという報告もありますが、正直病院で当直をしていた時は徹夜明けでそのまま勤務して手術したりとかもしていました。今でも同じように厳しい状態で働いている医師は少なくありません。診療所だとさすがにそこまで厳しい環境にはありませんが、本当に休息を取れる日を数えてみると普通の方には耐えられない状態かもしれません。現在のような過労状態の医師達が人の生死に関わるような判断や作業をすることに問題はないのでしょうか。
 働き方改革の好例として紹介されている事例を見ると、またあの業界か。という印象しか持てないのですが、現在の政策だと余裕のある業界がさらに余裕を持ち、余裕のない業界が置き去りにされている感じがするのですがどうなのでしょうか。
 全身麻酔で無意識のうちに手術を受ける方とか、重要な診断を受ける診察の時とか、「先生、昨日はきちんと寝ましたか?」と聞いてみるとよいかもしれません。もし口籠るようだったら、その時の医師は酒気帯びの人レベルかもしれませんよ。

2017年10月31日 (火)

生き甲斐もストレス

 昨日は心理学の専門家の講演会を聞いてみました。一番印象に残ったのは「生き甲斐や仲間がいるといったこともストレスである。」という話でした。
 バーンアウトしないためにどうしたらよいか、という話ですが、人間の心を輪ゴムに例えると、常にストレスに晒されて引き延ばされ続けていると伸び切ってしまって元に戻らなくなるから適切に心を休ませましょうということでした。ここで言うストレスには、つらいことや無力感、孤独感などの悪いストレスはもちろんですが、生き甲斐、自己決定、仲間がいることなどといったことも「良いストレス」として人間の心を引っ張り続けると話していました。
 医療職というのは生き甲斐ややりがい、使命感などを感じて仕事に邁進することが多いのですが、それもずっと続けていてはバーンアウトしてしまう。積極的に無の時間を作る、心の輪ゴムが緩んだ元の状態でブラブラとしている状態も日々の中できちんと作る必要があるとのことでした。医療職に限らず、この言葉が心に刺さる人も少なくないのではないでしょうか。

2017年10月19日 (木)

早期介入の矛盾

 最近は介護保険の判定基準が昔に比べるとかなり厳しくなっています。コンピューター判定を操作すれば判定基準は思うように調整できるのでしょうが、もはや早期に介入するという言葉に虚しさを感じるようになって来ました。
 認知症にしても、老衰にしても、ある一時点をもってきっぱり診断できる訳ではありません。多くの場合、平地か坂道かわからないくらいのわずかな下り坂を歩む感じで徐々に体力や認知機能が低下していき、だんだん日常生活に支障を来すようになっていきます。どの時点から支えが必要なのか。どの時点で正常から外れるのか。本当に微妙で難しい判断です。介護保険の申請をどの時点で行うべきか。ご本人やご家族の事情にもより様々な場合があります。
 90歳過ぎの夫婦で、確かに認知症はないですが奥様は人工関節術後で家事がきつくなって来たということで申請したところ非該当。80代も後半で診療所への通院も困難になって来て家事が辛いということで申請してみたところ非該当。
 昔から通院していてもう明らかに下り坂を下っていてMCI(軽度認知機能障害))にはなっているけれど認知症まではなっていないという方では、早期介入ということで認知症専門医療機関へ紹介しても「まだ認知症とは言えません。」という診断。確かに。でもどのくらいの支援をすれば良いのか。
 連続する人生の中で、ある時点から関与する機関が早期介入するという概念には矛盾が潜んでいるのではないかと思います。そういう面では診療所はしっかり関与することができれば数十年、理想的には一生涯関与していける所になり得るのではないかと思います。そうするためにはチームとして継続的に地域をみていけるシステムを構築する必要があります。そこが難しいところではあるのですが。

2017年10月 1日 (日)

存在の耐えられない軽さ

 昔たくさん見た映画の中で最も好きな映画のひとつです。あの政治的な映画を政治的に解釈して観た方がどれくらいいたのでしょうか。
 今の政治の軽さには耐えがたいものがあります。さすがに仕事人内閣。必殺仕事人よろしく昼間は仕事をしませんでしたね。与党はまるでのび太が0点のテストがお母さんに見つかってしまうのを避けるためにドラえもんに地球破壊爆弾を使うよう頼むように、国会を破壊してしまいました。新しい党ができましたが、右寄りの中から右の人たちが出てきて別の党を作ったところで、派閥争いか補完勢力にしか成り得ないでしょう。
 今、世の中で言う所の既得権益のど真ん中にいます。もっとも、現在本当に権益を掌握しているのは国民に選ばれた訳でもないのに政策決定の中枢に入っている業界の方々だとは思いますが。業界団体と与党議員で食事会をしてエイエイオーとやることに何の違和感も感じない議員さんに、改革を行うことなどできるはずもないでしょう。パーティー券を仕方なく買わされたり踏み絵でしかない推薦状を毎回書かされたりしている立場ではこの国は変えられないと思う私は間違っているのでしょうか。
 また、いつまでやるんだか分からない街宣車で名前を叫ぶだけの選挙が始まるのでしょうか。本当に、支持できる政治家がゼロになってしまったという感じです。政治的信念がブレず革新的で、討論会など論戦のみで選挙活動をして動画でそれをアップしていつでも論戦を見られるようにしてくれるような今までにないタイプの若者が登場してくれることを本当に期待します。

2017年9月21日 (木)

地鎮祭

 実は来春診療所を近所に移転新築いたします。まだ院内掲示とひっそりとホームページに情報を載せているだけなのですが、徐々に知っている方も増えているようです。今の診療所の老朽化と、駐車場の確保、薬局の利便性等を考え、診療所を新しくすることにいたしました。鶴川街道沿いに移りますので、やや遠くなってしまう方もいらっしゃるとは思いますがご容赦をお願いいたします。
 9月19日に地鎮祭を行いました。これから工事が始まります。新しい診療所はこだわりの詰まった、地域医療の根っこになるような場所にするつもりです。工事に伴い近隣の方にはご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。無事工事が進むようお祈りさせていただきました。

2017年8月27日 (日)

防災訓練

 今日は町田市の防災訓練に参加してきました。毎年8月の最終日曜に大規模な防災訓練が開催されています。本部会場には消防隊、自衛隊なども参加します。今日は相原小学校のサブ会場に参加してきました。
 防災訓練では、大規模災害時に立ち上がる救護所でのトリアージ訓練や実際の被災者を想定して病人や怪我人への対応方法などを訓練しています。トリアージというのは被災者の重症度、治療優先順位を決めるものですが、毎年練習していても判断基準は直前には忘れてしまっていますが、さすがに最近は少し頭に入ってきました。
 実際の大規模災害の時、手が折れている程度ですと副木を当てる程度の簡単な処置で避難所に出されることも多いと思いますが、それで怒る人がどれくらいいるのかいつも心配になります。実際救護所でもっと重症な方を目にすると、怒る方はほとんどいないのでしょうか。
 東京が大規模災害に被災したら、本当に規模が大きいので各地からの支援もなかなか十分に行き届かないことでしょう。その場にいる人間の中で思いやりを持って助け合うしかないのでしょうね。

2017年7月14日 (金)

DダイマーBNP検査機器導入について

 久しぶりに新しい医療機器を導入しました。Dダイマー、BNP、H-FABPという検査を院内で行えるようにする機器です。
 D ダイマーは主に血栓症の診断に用いる検査です。最近は片方の足が浮腫んだり腫れたりする方の中に深部静脈血栓症の方が稀ではありません。さらには肺に血栓が飛んでしまうと命に係わることもあるため、早期に診断して緊急で入院依頼などを検討する必要があります。院外の検査会社に依頼するとどうしても検査結果が翌日以降になってしまうため以前から院内で検査できるようにしたいと思っていました。もちろん足が浮腫んだ方すべてに測定を要するわけではなく、特に肺塞栓症が心配される方に対して測定する予定です。
 BNPは主に心不全の経過をみるのに使用します。高齢者の心不全で重症度や予後予測にある程度有用です。心不全があっても動かない生活をしていると胸部症状を訴えないこともあります。両足が浮腫んでいたり、心雑音が強い場合など、どの程度の心不全なのかを類推する場合などに有用です。
 H-FABPという検査は主に心筋梗塞の急性期の判断補助に使用します。急な胸痛や背部痛などでは心疾患の鑑別が重要で主に心電図や胸部レントゲン等を行いますが、診断の補助としてH-FABPは有用と言われています。ただ、発症から測定までの時間で偽陰性となったり、検査結果の解釈が難しい場合もありどんどん測ればよいという検査でもありません。
 これで当院の院内血液検査体制は診療所としてはほぼ合格点になるのではないかと思います。適切な場面で最小限使うよう、うまく使いこなしていきたいと思います。

2017年7月11日 (火)

通院の限界点

 現在の日本は急速な高齢化社会がよく言われていますが、診療所で日々診察をしていても急速な高齢化については実感します。以前は80歳代でかなり高齢な印象がありましたが、最近では90歳代でひとりで通院されて来る方も少なくないようになりました。
 さすがに90歳代で一人暮らしの方には介護保険申請をお勧めしたりしていますが、私はまだ必要ない、介護は嫌、と話される方もいます。歩行がかなりおぼつかなくなってきて、そろそろ往診ではどうですか?とお聞きしても、まだ通えるから大丈夫と言う方も少なくありません。
 ご家族が付き添いで来院される方の中には、ひとりでは歩けず、院内を車椅子で移動したり本当に両手を支えて手引き歩行を数歩できる程度の方もいらっしゃいます。在宅専門の診療所であれば確実に在宅診療レベルだと思いますが、それでも通院を希望される方も少なくありません。
 一つには医療費の自己負担が通院した方がはるかに安上がりである点もあると思います。在宅診療にしたり訪問看護を導入したり介護サービスを入れたりするのにはお金にある程度余裕がないと無理だったりします。そういう面では一般の診療所は長年通院していますし、いざとなったら臨時往診を依頼すれば一番使いやすい施設なのかもしれません。もちろん在宅診療をしていないと24時間対応できないとか、急変した時に困ることはありますが、90歳代で急変しても慌てることはないと達観した方やご家族であれば、無理に在宅診療へ移行して介護サービスを入れなさいとも言えないのが現実です。もし自宅で亡くなった場合、前回診察から間隔が空いていると警察が入り検死になってしまうので、その点は注意が必要です。最期だけ救急搬送して病院で看取ってもらおうと考えることは避けていただきたいものです。
 もう通院は限界だなと思いつつ、ご本人ご家族は通院を希望される場合、どこが通院の限界点なんだろうかと悩むことが増えています。

2017年6月20日 (火)

リアル越後屋

 まさか21世紀のこの時代に、お代官様と越後屋さんのリアルなやりとりが見られるとは思いませんでした。越後屋さんというのは経済界の優れた人物のことです。決して悪い人ではありません。いやいや、決してダメとは言いません。違法であるはずもありません。
 官僚というのは国のものを売却した際の書類などはすぐに捨てるものなのですね。流石仕事が早い。すばらしい仕事です。後世に記録を残しておいてもろくなことはありません。もしかしたらカルテなんかもすぐに捨ててしまった方がよいのかもしれません。
 この世の中を渡っていくには、やはり長いものには巻かれる、お代官様の知り合いになるのが一番いいという教育が必要なのかもしれません。
 いやはや、これから日本はさぞや明るい時代に向かっていくのでしょうね。









2017年5月 7日 (日)

ゴーンさんと日本の医療

 ゴーンさんが日産の社長を退任されました。ゴーンさんが経営危機に陥った日産にやってきた頃のことは覚えていますでしょうか。印象深かったのは、それまで系列で混在していた営業所をレッドステージとブルーステージに統廃合し整理したことでしょうか。下請け企業も合理化して人員もリストラしたりして日産の経営をV字回復させたことは周知の事実でしょう。
 JALの時もそうですが、経営を立て直す時には経営の合理化、整理、コストカット、人員削減が基本であると思います。収益が縮小してもそれ以上に支出を縮小して収支を成り立たせるという手法が一般的です。
 振り返るに、日本の社会保障費は雪だるま式に膨れ上がっています。このまま行けば破綻することは暗黙の了解になっているのではないかと思います。これから社会保障費を破綻させずに持続可能にしていくためには、基本的に事業を全体としてなるべく拡大しないようにして、支出をなるべく縮小して収支が合うようにしていく必要があることに異論のある方はいないでしょう。
 しかし実際に国はどういうことを行っているのでしょうか。
ひとつには、ほとんど全ての専門職をバラバラの事業所に配置転換していっています。もちろんそれぞれに固定費も事務費も人件費もかかり、バラバラになっているので連携もままならなくなっています。ゴーンさんがレッドステージとブルーステージに統廃合したのとは逆の方策を取っています。
 医療にかかるコストとしては、薬事法の古い規定を修正したり医療機器や薬剤の購入コストの削減などをすれば大幅に全体のコスト削減ができると思いますが、全くする気配はありませんね。さらには専門職の人材派遣を可能としたことで医療機関や介護事業所が求人する場合のコストは爆発的に増加しています。これもゴーンさんの日産改革とは逆の方策を進めています。つまり事業に掛かるコストが増大する方向へ政策を進めているとしか思えません。
 人員はどうでしょうか。日本はすでに人口減少社会になっています。高齢化が叫ばれていますがそれももう少しで減少に転じます。それを見越した上で、医師も看護師もその他スタッフをこれからどんどん増やそうと計画しています。ビジネス的に考えれば顧客が減っていく地域で、営業などの人員をこれからどんどん増やそうとする企業と同じ思考です。JALでは虎の子のパイロットさえも人員削減したのと全く逆の方針を貫いています。
 現在の医療政策は、内部コストが増大しても事業を拡大して発展させていくビジネスモデルを展開している企業と同じに見えます。政府の中に経営能力のある経営者が入っていれば今のようにはならなかったのではないかとか、いっそのことゴーンさんに政策会議の中に入ってもらったらどうかとか思ってしまいたくなるところです。

 そもそも発想の原点が違うのではないかと考えてみると全てが納得できます。つまり日本の医療を持続不可能にしようというのが出発点だとすると、現在の方策は全てが計画通り順調に進んでいます。なるほど、日本の経営者も能力が高いなと思います。そう考えると、日本の今までの医療が破綻した先のことも想像に難くありません。あの人がこんなことを言うんだろうなとか、あの団体がこう動くんだろうなとか。
 そんなことを考えながらゴールデンウィークが過ぎていきます。

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